人材派遣大手グッドウィル・グループ(GWG、折口雅博会長)の主力行のみずほ銀行が、グループ中核企業のグッドウィルに対する貸出債権を、米投資ファンドのサーベラスに売却する方向で最終調整に入ったことが10日、関係者の話で分かった。
売却する債権は、折口会長の資産管理会社「折口総研」(東京)に対する約270億円も含み、総額で1000億円を超える見通し。売却額は300億円前後で調整しているとみられ、11日にも契約を交わす。
GWGは今後、サーベラスの支援下で再建を模索することになる。
主力行が貸出債権の大部分を売却するのは異例。みずほ銀はすでに大幅な引当金を積んでおり、決算への影響は限定的とみられる。
みずほ銀は先月実施した貸出債権売却の入札で候補をサーベラスに絞り、売却額などについて交渉を続けてきた。
GWGは2004年に訪問介護大手コムスンを完全子会社化し、06年には人材派遣大手のクリスタルを買収、一時は人材派遣と訪問介護の最大手となった。