【北京=高橋哲史】中国税関総署は10日、2月の輸出額が873億ドル(約9兆円)となり、前年同月に比べ6.5%の増加にとどまったと発表した。1月まで10カ月連続で20%を上回るペースで増えていたのに比べ、急減速となった。地域別では対米輸出の鈍化が際立っており、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響が中国の輸出にも表れてきた格好だ。
2月の貿易黒字額は前年同月比63.9%減の85億ドル。輸出の伸びが鈍化する一方、原油価格の上昇などで輸入額が同35.1%増の788億ドルと大幅に増え、貿易黒字の縮小につながった。
中国では毎年1―2月に旧正月の大型連休があるため、この時期の輸出額は単月でみると異常値が出やすい。ただ、今年は1―2月でならしてみても輸出額は前年同期比16.8%増にとどまっており、輸出の減速傾向がはっきりしてきた。
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