ノンフィクション作家の溝口敦さん（65）の長男が暴力団山口組系元組員らに襲撃されてけがをした事件で、溝口さんらが実行犯と組長ら5人に計7200万円の損害賠償を求めた訴訟は10日、東京地裁（菅野雅之裁判長）で和解が成立した。溝口さんの代理人によると、組長ら幹部2人が計500万円、実行役3人が計20万円の解決金を支払うという。

　元組員らは溝口さんが雑誌に執筆した山口組に関する記事に不満を持ち、2006年1月、東京都三鷹市の路上で溝口さんの長男をはさみで襲い、太ももにけがをさせた。溝口さん側は「組織的な暴力による言論弾圧事件で、実行役だけでなく組長らも賠償責任を負う」と主張していた。(23:16)