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Webビジネス・バックナンバー |
売れないオンラインショップの条件
著者: ファンサイド AG プリンター用 記事を転送
▼2008年3月3日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
■ Web デザインと売上
ずいぶん前になるが、知り合いがあるオンラインショップ関係者に会った時の話。1種類の語学関連の機器を販売し、年商3億円近くも稼ぎ出しているそのオンラインショップは、たった3名で運営しており、社長が Web サイトを随時更新し、1人がメルマガを毎日書きまくり、残った1人は商品をひたすら発送し続けている状況が2年以上続いているということだった。興味を持った私は、その Web サイトを見て愕然とした。
ページが1ページしかないのである。しかも、果てしない縦のスクロールが続き、デザインを無視した巨大な商品写真と巨大フォントで書かれたキャッチコピーの嵐、段組みも行わない。極めつけはこれでもかという購入者の体験談が延々と続いている。大手広告代理店のアートディレクターやデザイナーが見たら卒倒するようなデザインだ。おそらく社長は、この体験談を日々増やしているのだろう。しかし、事実、年商3億円なのである。
■ メルマガと売上
さらに、メールマガジンを登録してみたら、これもまたかなりアグレッシブなもので、毎回体験談が嫌味なほど羅列されている特異なものだった。もちろんスクロールは果てしない。しかも毎日配信である。
メルマガに関しては、ほかでも聞いた話がある。名前を言えば、たいていの人は知っている上場企業のメーカーで、そこのメルマガは悪評が絶えない。そこに登録した瞬間から365日休まず配信される。スクロールは果てしなく、私の周りの友人たちは、登録後しばらくすると、そのメルマガが来た瞬間に読まずに削除する。果ては、送信解除もしくは“迷惑メール”フォルダ行きとなる。
だが、ある時、その会社の社長や他のスタッフと話す機会があり、そのメルマガに関して、内容や頻度を考えてみてはどうかと進言したことがある。答えは NO だった。理由は、その会社の30%の売上がそのメルマガによってもたらされているからだった。100億円近い売上の会社の数十億円があのメルマガからの売上だった。
■ 売れないオンラインショップの条件
その後、私は、いくつかのオンラインショップを調査し、売上の多いショップのデザインやメルマガを見てみた。すべての売れているショップが前述のようなデザインしていたり、メルマガを毎日配信したりしているわけではないが、売れているといわれるショップは、従来良いデザインとされる洗練されたまとまったデザインのショップではない場合が多い。このことから考えると、下記のことが言えるだろうか。
(売れるオンラインショップのポイント)
・商品写真やキャッチコピーは巨大化してアピールする。
・文字を多くして商品特長を極限までアプローチする。
・購入者の体験談をこれでもかと掲載する。
・スクロールは限りなく長くする。
・メルマガは“迷惑メール”フォルダ行きを恐れず毎日配信する。
・メルマガの文字量も気にせず、書きたいことはすべて書きまくる。
(売れないオンラインショップ)
・クオリティの高い洗練されたデザインを採用する。
・メインイメージは、FLASH で目を引くトップイメージにする。
・書きたいことは簡潔にし、スクロールを避ける。
・文字サイズはバランスよく配置する。
・段組みを行い簡潔な表現で情報を無駄なく配置する。
・メルマガは週1回もしくは隔週で配信する。
・メルマガのスクロールを避けるためキャッチコピー程度の紹介にとどめる。
そんなことは決してない。半分当たっているが半分違っている。結果だけを見て、理屈をつければ上記のようにまとめられるが、売れていないオンラインショップが、小手先だけで上記の点を変えたとしてもおそらく売上はかわらないだろう。重要なことは、なぜ、従来のロジックを無視したオンラインショップが売れているか、それを知ることである。その辺にオンラインショップを成功に導くヒントが隠されているのではないだろうか。
■ 売上とデザインは無関係
現在では、何人かの方々が、オンラインショップでの「Web デザイナー不要説」「おしゃれなデザインは売れない」などの理論を唱えている。これは、デザインが不要なのではなくて、売り手側が、その商品やターゲットに対して、伝えたいことを素直に率直に表現することが一番大事で、それを伝えることができれば、デザインの良し悪しは大きな問題ではないということなのである。
オンラインショップでは、売り手側のメッセージ(伝えたいこと)に基づいた表現方法が非常に重要な意味を持ち、それが適切に表現されていれば、閲覧者はそれを十分に理解してくれる。「クールなデザインで訴求する」ことがメインとなった場合、デザインありきの Web サイトとなり、そこでバイアスがかかり、閲覧者に一番伝えなければならない商品の情報や売り手側の熱意が伝わり難くなってしまう。言うまでもなく、閲覧者にはトリッキーなごまかしは効かない。
■ 売れないサイトの作り方
前述した年商3億円の企業に関しては、商品の良さを思い切りアピールしたい売り手側が、 商品やメッセージを目立たせること、“購入者の体験談”を限りなく多く見せること、をアピール手法とし、結果的に従来の良いとされるデザインとはかけ離れてしまったのだろう。デザインすることよりも前の段階(商品アピールの意図や熱意)を重視したところに“売れるサイト”の理由が見えてくる。
とすると、商品のことを考える前に、販売する場所(Web サイト)の格好をまず重視すること、例えば、「まず、Web サイトはいいデザインであるべき」とういことを徹底的に極めれば極めるほど、“売れないサイト”に近づいていくのである。
(株式会社ファンサイドAG 田中雅人)
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