審判長として初めて結びの一番を裁いた貴乃花親方(元横綱貴乃花)のコメントは初々しい。「お客さんが多くて、照明も明るく、緊張しました」。しかし白鵬と朝青龍に独走を許す他力士への注文は痛烈だった。
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【フォト】土俵見る貴乃花親方の「目」に注目
両横綱が頻繁に繰り出す立ち合いの張り差しは「1つの技ですからね」と容認。しかし「そこにつけ込む相手がいれば面白い。横綱が猪突(ちょとつ)猛進では困るが、猪突猛進の若手がいてもいい」。奇襲に怯むばかりの対戦相手には手厳しかった。
話題は手がついているかどうかが微妙な朝青龍の立ち合いに及んだ。「注意する予定はないが必要であれば放駒審判部長(元大関魁傑)がするでしょう」としつつも、「修正していくんじゃないですか」と事実上の“黒判定”を下した。
理事改選に伴う2月の職務分担で役員待遇となり、35歳という異例の若さで審判部副部長の重職を任された。横綱らしからぬ立ち合いが横行し、いきのいい若手が出てこない現状への苦言は、角界の将来を担うことを期待される貴乃花親方の発言だけに重い。
時津風事件や朝青龍の品格問題がくすぶり続け土俵外の改革も急務だ。「先輩を見習って虚心坦懐(たんかい)に仕事を吸収したい」。就任時の抱負は謙虚だったが、優勝22回の大横綱でもあった貴乃花親方には、角界をいい方向へ導く大胆な行動も求められている。(奥山次郎)
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