トヨタ自動車は今春の労使交渉で、1500円の賃金改善要求に対し、前年並みの1000円を回答する見通しになった。賃金改善は3年連続。トヨタは2008年3月期に過去最高益を更新する見込みだが、経営側は長期的な固定費増を避けるため満額回答は困難との姿勢を示している。日産自動車は賃金改定原資で前年の6700円を上回る回答をする方針を6日までに固めた。
トヨタは年間一時金については過去最高水準となる253万円の要求に満額で回答する方針。経営側は事業拡大による従業員の負荷の高まりなどを踏まえ、賃金改善でも一定の水準で応える。組合側は12日の回答日に向け、なお上積みを求める考え。
日産は昨年、7000円の要求に対し6700円で妥結。減益決算見通しを受け、6年ぶりに満額回答が見送られた。今年は再び増益基調に転じたため上積みを検討する。年間一時金も6.1カ月(07年は6.3カ月)の要求に対し、前年並みの6カ月から上積みする方向で調整している。
三菱自動車は年間一時金の要求(4.0カ月)に対し、満額回答を視野に最終調整に入った。