お茶の水女子大学付属高校2年蘭組の家庭科の授業で一枚のプリントが配られた。「高齢子育て メリットは?」という見出しの記事(毎日新聞1月6日付朝刊くらしナビ面=東京)がコピーされている。高齢出産(35歳以上)の経験者に聞いたメリット、デメリットをまとめた内容だ。
この日の授業は「子育てのあるライフコース」。田中京子教諭は、ある女性(あるいは自分)を想定し、結婚と出産の時期(第1、2子)を課題にした。生徒たちが黒板に出産時期を○印で書き込んでいく。20代前半から30代中盤までばらつきが出た。これを導入部に、仕事との両立、社会や地域の支援といったテーマに進んでいく。
日常の授業で新聞記事を取り上げているだけではない。定期試験の問題にも出す。問題用紙の裏に記事をコピーし「この記事を読み、意見を書きなさい」と問う。生徒たちは、しっかり読み、記憶に残るという。
「一生をどう生きるかを学ぶのが家庭科」と田中教諭。食の安全、介護、年金……家庭科の領域は広い。「教科書はクラシック・スタンダード。その土台の上に『いま』を乗せることが大切です。新聞で多様な情報を読み、将来の生活力をつけさせたい」と語った。
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田中教諭は全国高等学校NIE(教育に新聞を)研究会の事務局長を務める。今月29、30の両日、東京・内幸町の日本プレスセンターで、実践事例を紹介する全国大会を開く。問い合わせは042・691・0321。【関博至】(次回は31日に掲載)
毎日新聞 2008年3月10日 東京朝刊
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