ISBN978-4-900659-83-4-C002 |
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【著者のことば】 探偵小説には、「本格」と「変格」がある。犯人が最後にわかるのが「本格」、あらかじめわかっているのが「変格」である。私のこれは「変格」である。犯人は邪馬台国であり、私の場合、佐賀県小城市三日月町三ヶ島だからである。したがって、読書の興味は、そこに至る推理の展開にしぼられる。 しかし、ついこの間までは「本格」でいくつもりであった。それがすでに「三日月説」を立てておられる方がいた。そこで形式を「変格」に替え、上梓することにしたのである。 中心地こそ二番目の説になったが、邪馬台国までの行程の解釈については独自の説である。そして、その立説は意表をついたもので、十分お楽しみいただけるものと思う。 私説の系譜といえば、松本清張さん、古田武彦さん、高木彬光さんの「直線式」の影響下にある。ただし、個々について、発想を刺激されたものには宮崎康平さん、張明澄さん、田中卓さん、安本美典さんなど多い。 私の説は、多くはこれらの方々の引用である。その組み合わせである。独自の説は、それらの中に、いくつかを挿入したのである。しかし、もちろんそれは新説である。 全体的にいえば、論理は算数的である。アクロバットなものではない。だから、読む方にとっては、論理の前提を、単純に認めるかどうかだけであろう。それにひっかかるのでなければ、終わりまで引かれていくにちがいない。 読後感を、ぜひお聞かせください。 E-mail to (眞木林太郎宛) みなさんへ、著者より |