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西濃運輸が初の店舗を都内に2ヵ所新設、今年中に20ヵ所に
ヤマトは2012年までに1000店、佐川は今年度末に200店突破へ
大手宅配事業者の間で集配車両を持たないサテライト型集配拠点の設置が進んでいる。集配メッシュの細かい都心部のオフィス街などを中心に店舗展開が進んでおり、台車などを使うことでより早い集荷や配達などを実現している。また、車両を使わないため、駐停車場所の確保に苦労することがなく渋滞緩和にもつながるうえ、CO2排出削減など環境対策にも効果をあげている。
西濃運輸(田口義隆社長)はこのほど、同社初となるサテライト店「カンガルービジネスセンター」を東京都千代田区内に2ヵ所新設した。
また、ヤマト運輸(木川眞社長)は07年3月末時点で880ヵ所のサテライトセンターを展開しており、これを2012年までに1000店舗まで増やす計画を立てている。
佐川急便(栗和田榮一社長)は「サービスセンター」という名称で展開しているサテライト型店舗を、今年度末までに200ヵ所強まで増やす計画だ。
西濃運輸は2月14日、千代田区内に「カンガルービジネスセンター 神田小川町店」「同 神田錦町店」を新設した。従来、同社の深川支店が集配エリアとしてきたオフィス街だが、デリバリースタッフが台車を使った集荷配達サービスを提供していく。
同社では今後、千代田区に加え、中央区や港区など都内8区を対象に「カンガルービジネスセンター」の設置を進め、今年中に20ヵ所程度のサテライト店を新設していく計画。
ヤマト運輸は97年ごろからサテライト店の出店を開始、07年3月末時点で日本全国の都市部を中心に880店まで増えている。台車による集配が基本だが、スリーター(3輪型スクーター)や一部で軽自動車による集配も行っている。
同社によると、半径400メートル前後のエリア内であれば台車による集配のほうが車両よりも効率が高いという。また、店舗が小さくて済むため家賃が安くなるほか、燃料費がかからず、車両への投資も削減できるなど経済効率も良い。人材確保の面でも、自動車免許がいらないため、女性のパート職員を雇用しやすいなどのメリットがあるという。
佐川急便もここ数年、「サービスセンター」の設置を加速している。07年度は約60ヵ所の新設を計画しており、昨年12月末時点で183ヵ所まで増えている。今年度末には200ヵ所強まで増える予定。
設置は大都市部が中心で、首都圏が半数近くを占めるほか、大阪、名古屋、福岡などが多い。ちなみに沖縄・那覇市内でも4ヵ所のサービスセンターを設置している。
各サービスセンターはエリアを管轄する営業店の所属で、従業員についてはサービスセンター職という職種を設けているほか、パートなども採用しており、「主婦なども勤務が可能になるよう多様な働き方ができるようにしている」(広報部)という。
カーゴニュース2月28日号