2007-10-22 14:50:14
スペクタクルな千葉サッカー/千葉対浦和レポート

■結果か、スペクタクルか
「アマルはサッカーをわかってない」
 これはイビチャ・オシム前監督時から千葉サッカーを支えたストヤノフが、報道陣の前で退団覚悟でアマル・オシム監督を批判した言葉である。このとき、千葉は連敗中であり、主力の監督批判に千葉の未来を不安に思った人は少なくないはずだ。しかし、その後千葉は立ち直り、この日まで6連勝中である。
  
 7連勝をかけ首位浦和を迎えた一戦。4−2というやや大味とも思える試合を終えたアマル監督は「スペクタクルな試合だった」と振り返った。この言葉を聞いたとき、アマル監督の深さを感じた。
 実は、アマル監督は浦和対大分戦を視察に来ていた。そこで「60分以降、浦和の体力が落ちることはわかっていた」と分析した。ならば60分まで普段のサッカーを捨てて守り、残りの30分に試合をかけることもできた。
 しかし、千葉はそれをしなかった。前半から真っ向勝負に出たのだ。結果、2点を失った。後半立ち上がりにも3点目を奪われ、その後2点を返すも、ダメ押し点を奪われて試合終了となった。
 
 千葉が奪った2点を浦和の緩慢なプレーと分析することもできる。しかし、それだけだろうか? 鈴木啓太は「千葉は守備陣の1枚を減らして攻撃にきた。僕らもカウンターからチャンスを作っていた。決めていれば試合は終わっていた」と振り返った。
 つまり、千葉が博打に出たため、あの状況が生まれたのである。そして、決められない浦和を尻目に得点を奪い「後半は首位浦和にあれだけの試合ができ、守勢に回らせた」(アマル監督)のだ。
 
 結果だけ言えば、千葉は勝てなかった。ただ、アマル監督が言った通り、スペクタクルな試合をした。リーグという長丁場で、勝つだけの試合ができるのは、上位4チームくらいである。他は負けている試合も見なければいけない。
 負けても観客に愛されるサッカー。千葉はJリーグに新たな風を吹かせている。アマル監督は勝ち点という意味ではサッカーをわかっていないと言われるかもしれない。ただ、サッカーはエンタテインメントである。そういう意味では、サッカーをよく知っている監督だと思う。

【レポート/石井紘人】

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