合鴨がこれほどまでに美味しいものだということを知りもしませんでした。 合鴨鍋を食べてからというもの、冬場海辺に集団で浮かんでいる鴨たちをハンティングして食べてみたいという衝動を抑える ことに大変な苦労をしております。 岡星さん、一体どう責任をとってくれるつもりなんだ!
そうなんです。 このレシピは、美味しんぼの48巻、団欒の食卓(後編)で『岡星』の主人、岡星精一さんが作ったものなのです。 鴨が葱を背負って来るとはよく言ったもので、焼いているうちに合鴨から滲み出た脂がネギをジリジリと焼いて……。 よし、今晩も合鴨鍋にします。
※鴨が葱を背負って来る:鴨が葱まで背負ってわざわざやって来たので、 すぐに鴨鍋が食べられるというところから、相手の行動が自分の思い通りにはこんで、こんな都合のいいことはないよホント。 という場面で用います。
合鴨とは何かというと、鴨とアヒルをかけ合わせたものらしいです。 これによりアヒル、鴨それぞれの長所を備えた合鴨が生み出されるわけです。
鴨を鍋にするといえば、真鴨を用いた鴨鍋が本家であり、狩猟期間中にしとめて熟成させた野生の真鴨で作る鴨鍋は格別で、 合鴨では醸し出すことができない風味があるそうですが、狩猟期間中しか食べることができないこと、エサによってはマズイ真鴨もいることを考慮すると、キチンと飼育された合鴨を用いて鍋にすると 間違いない、と山岡さんは言います。
合鴨には真鴨にはない「味の軽さ」があるそうです。 ちなみにアヒルは脂が多すぎるのだとか。
そんな合鴨を薄切りにして、皿に並べます。
とにかく鴨がネギを背負ってくるのですから、ネギは絶対に必要なわけです。 長ネギを、合鴨肉一切れにつき一片用意するつもりで、多めに 用意しておくことをオススメいたします。 食べやすい大きさに切っておきましょう。
梅干を日本酒で煮て、アルコールが飛んだ頃、醤油で割ります。
このタレがまた美味しいんですよ。 鴨鍋に限らずとも、ポン酢を使いたい場面でこれを使うと絶賛をうけます。 オイも日常的によく使います。 ポン酢にはないサッパリさがあるのです! このタレの作り方を覚えただけでも合鴨鍋を作ってみて本当によかったと、思います。
ちなみに醤油は薄口醤油を使用しました。
さあ準備は整いました。 卓上コンロを用意して、その上に薄鍋を置き、合鴨の脂身を鍋にひきます。
合鴨を焼きながら、うっすら滲み出た脂で長ネギを焼き、つまむのです。 はぁ〜幸せ。
オイが実際焼いてみた感想ですが、ガスの炎で焼くよりも、炭火で焼いたほうが焼け方は遅いですが、ジンワリほどよく脂が滲み出てきていいかんじでした。
07/11/15