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ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」の旋律をバックに、お客を乗せた宇宙船が宇宙ステーションに到着する。映画「2001年宇宙の旅」の一シーンである。そんな宇宙旅行が、手の届くところにまで来ているようだ 宇宙飛行士土井隆雄さんが搭乗し、国際宇宙ステーションに日本実験棟の保管室を運ぶ米スペースシャトルが、あす打ち上げられる。土井さんは今回の飛行で日本初の有人施設を建設する。成功すれば日本が宇宙に自分の「家」を持つことになるのだ 前述の映画は四十年前のものだが、あまり違和感を覚えないのは、こうした動きが目の前にあるせいだろう。さまざまな技術力がSFの世界に近づいてきているということだ そんな技術の進歩を裏付けるように、中国によるサイバー攻撃や宇宙における米中の衛星爆破が注視されている。宇宙と電脳空間における軍事的脅威もSFの得意分野だった。だが、小説なら楽しんで済むが実際に宇宙戦争となれば問題は深刻だ 土井さんは実験棟設置の準備もする。その実験棟の名前は「きぼう」。宇宙の平和利用につなげる「希望の家」になってほしい。
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