ネットを見ていると、雑多な情報に混じってときにうれしくなる話題に出あう。京都大学の公式ページで見つけた話もその一つだ。
大学構内の元は旧制第三高等学校初代校長・折田彦市氏の銅像があった場所に、毎年今ごろアニメのキャラクターの張りぼてが立つ。受験生を励ますための在校生などの仕業と考えられるものの、大学側はあえて詳しいことを調べていないようだ。
今年は二月下旬に「アンパンマン」に出てくるキャラクターが登場した。今回は出来がよかったのか、早速地元紙によって報道された。すると、アンパンマンの著作権を持っている会社から大学に問い合わせがあった。
経緯や状況を説明したところ、会社は撤去要求をせず、大学側も例年通り黙認を続けることになったそうだ。大学は年によっては壊されることもある張りぼてを大事にするよう、呼び掛けてもいる。粋な計らいといってよかろう。
大学入試ではこれから国公立大の中・後期日程などに挑む人もいよう。公立高の一般入試も始まる。受験生から見れば大人がいかに振るい落とすか考えているように見えるかもしれない。だが、そうではない。大人は若者たちが力を出しきることだけを願っている。
すでに結果が出て、志ならずという人もいるだろう。世の中には知らない人も含め、多くの応援団がいることを忘れないでほしい。