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被爆体験者に“屈辱”質問 「給付うらやましいか」 (2/2ページ)
調査は長崎県内に住む315人を対象に行われた。設問は約140項目あり、原爆投下時の記憶や現在の健康状態などに続き、後半は心の内面を探るものに。
「医療給付を受けた人がいることをどのように考えますか」の問いに「よかった」「うらやましい」「自分たちは見捨てられた」「許せない」などから自分の考えに沿うものを選ばせたり、「時には口汚くののしりたくなる」「役に立たない人間だとつくづく思う」「こじきに金をやるのは反対」「人に失望することが多い」などの項目から自己にあてはまるものに丸をつけさせたりした。
中根教授によると、心理面の設問は米国で1940年代に考案された「ミネソタ多面的人格目録」と呼ばれる検査法を基に作成した。同様のアンケートは、国内でも自然災害被災者の精神的傾向を調べる際などに広く使われているという。
調査を経て、「爆心地から半径12キロ」と限定していた被爆体験者の居住要件が平成17年から長崎県内全域に拡大された。