ここから本文エリア 奈良の鹿寄せに異変 ドラマ「鹿男」効果で観光客殺到し2008年03月08日 奈良の冬の風物詩「鹿寄せ」に異変が起きている。昨年までは「奈良の鹿愛護会」のスタッフがホルンを吹けば、100頭ほどがどっと林から飛び出してきていたのが半減した。奈良が舞台のテレビドラマの影響で見物客が例年の3倍近くに急増、人の多さを鹿が怖がっているらしい。スタッフは「お客が来てくれるのはうれしいんですが……」と複雑な表情だ。
奈良公園の飛火野(とびひの)、午前10時。約300人の観光客の前でスタッフがベートーベンの交響曲第6番「田園」の一節を吹き始める。が、鹿たちは20頭ほどが木々の間から様子をうかがうように立ち止まったままだ。 ホルンを吹き続けると、5分ほどたって三々五々、集まってきた。本来ならドングリをまくスタッフの周りへ群がるところだが、立ち止まっては恐る恐る歩み寄る。結局出て来たのは、いつもの6割の約60頭。約30頭のときもあるという。 見物に来る観光客は例年、多い日でも100人ほどだったが、今年は週末を中心に300人を超す日が続出。鹿より人間が多くなった。1〜2人も珍しくなかった平日も20〜30人にはなり、スタッフも「こんなこと初めて」と目を丸くする。 若者が目立つことなどから、奈良市観光協会は、人間の言葉を話す鹿が出てくる1月から関西テレビで放映中のドラマ「鹿男あをによし」の「効果」とみる。協会は鹿寄せ前にマイクで「鹿が怖がりますから、1カ所に固まらず少し離れて見て下さい」と異例の呼びかけを始めた。 鹿寄せは18日まで、毎朝10時から。 PR情報関西ニュース
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