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子ども相談室:1歳5カ月の孫、短気で落ち着きがなく心配=小児科医・加部一彦

 ◇Q・1歳5カ月の孫、短気で落ち着きがなく心配

 1歳5カ月の孫。少しもじっとしていなくて動き回るのです。2歳ごろになると落ち着くものなのでしょうか。カンが良い子ですが、少し気が短いことも心配です。(匿名希望、祖母)

 ◇A・好奇心と行動力に富む時 がまんと待つ姿勢が大切

 お誕生日を過ぎ、1歳半近くなるにつれ、子どもたちは「赤ちゃん」から「幼児」へと変わっていきます。このころによく聞かれるのが「落ち着きがない」とか「ちっともじっとしていることができない」という質問です。特に最近は「落ち着きのない子が増えている」とか注意欠陥多動性障害などといった行動発達に関する話題が新聞やテレビでもよく取り上げられており、心配されている方は少なくありません。

 しかし、「落ち着き」とは何でしょうか? もともと乳幼児は好奇心に富み、行動するエネルギーにあふれています。ようやく一人で安定して歩けるようになり、興味や関心の赴くままに盛んに自分の周辺を探っている--そんな子どもたちを大人の感覚で見れば、誰もが「落ち着きがない」と見えるのではないでしょうか。好奇心が盛んで行動力にあふれるこの時期に、周囲のものや人に関心を示さない方がむしろ問題ではないかと思います。

 「落ち着きがない」と言われると、ついつい脳に何か問題があるのではないか、などと考えがちですが、心も急速に発達しつつある2~3歳児の行動異常を診断することはたやすくありません。やんちゃな子やわがままを通そうとしている子には時には厳しく対処し、また、優しく諭したりほめてあげましょう。この時期の子どもは、自我に目覚め始めます。周囲の大人は衝動的にしかったりしないようにし、「がまん」と「待つ姿勢」を持つことが大切です。

毎日新聞 2008年3月9日 東京朝刊

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