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■J−REIT海外不動産運用解禁・・・東京証券取引所
東京証券取引所は、上場する不動産投資信託(J―REIT)が、運用資産に海外不動産を含めることを認める、とする上場制度改正を2月28日に発表した。今年5月以降に実施する方針だ。
これまで、海外の不動産については、適切な鑑定方法が定まっていないことから、投資家保護の観点から、運用対象とすることは認められていなかった。
しかし、国土交通省が鑑定指針の策定に着手したことを受け、今回の規制緩和に踏み切ったものだ。J―REITは、オフィスビル特化型など、一部の銘柄をのぞいて、家賃マーケットの軟化や金融機関からの資金調達が困難になっていることなどを受けて、昨年より株価の低迷傾向が続いている。特に、昨年12月から、今年2月にかけては、ジェイリート投資法人、エイブルリート投資法人、エコロジー・リート投資法人、トーセイ・リート投資法人、ジェイ・レップ・ロジスティック投資法人の5つの投資法人が、相次いで上場の中止・投資法人の解散を行うなど、新規上場を控える動きも強まっており、市場全体に閉そく感が強くなっていた。
今回の件について、J―REITに詳しいアイビー総研の関大介社長は次のように語る。
「REIT市場がある世界各国の中で、国外の不動産を運用できない、という規制があるのは日本、韓国、ブルガリアの3カ国だけです。国外不動産も組み込む、というのが世界的な流れになっている中で、これでは競争力を維持できない、ということから不動産証券化協会などの業界団体やJ―REIT運用会社から、規制緩和を求める声が東証に対しあがっていました。投資法人の中には、既に投資規約の中から「国内不動産を投資対象とする」の文字をはずすところも出てきており、今後、海外不動産を買う動きは強くなるでしょう。ただし、初めのうちは、比較的安定したエリアでの投資に留まることになると思います」(3月3日号)