2008.03.09 Web posted at:  14:30  JST Updated - CNN/AP
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与党連合不振、野党躍進 マレーシア総選挙

自宅で記者会見するアンワル元副首相(左)=9日、クアラルンプール市内

クアラルンプール──マレーシア下院(定数222)の総選挙は8日に投開票され、1967年の独立以来政権を維持してきた与党連合「国民戦線」が選挙前の199議席から137議席に減少し、憲法改正が可能な全体の3分の2に届かなかった。国営ベルナマ通信が、選挙管理委員会の発表として伝えた。

野党勢力はこれまでに82議席を獲得し、選挙前の20から大幅躍進した。与党第1党の統一マレー国民組織(UMNO)を除名され、現在は野党・人民正義党(PKR)顧問のアンワル元副首相は、「(有権者は)投票所で変革の時が来たと固く確信し、心の声を聞いた。国民は意思を表明した。これはこの国の歴史でかつてなかった決定的瞬間だ」とコメントした。PKRはこれまでに31議席を獲得しており、アンワル氏は野党勢力の指導者となる見通しだ。

国民戦線の支持が低下した原因の1つは、多数派で優遇措置を受けているマレー人と、華人やインド人など少数派の民族対立とみられている。1969年の総選挙で国民戦線が大敗した際には民族衝突で多数の死者が出たため、非常事態が宣言された。民族問題は今回の選挙戦でも焦点となったことから、政府は国民に冷静な対応を呼びかけてきた。ただ、アンワル氏をはじめとして、政府や国民戦線が不正に関与したと指摘する向きは多い。

任期を1年以上残して下院解散を発表し、総選挙を実施したUMNO総裁のアブドラ首相については、今後の去就に注目が集まるとの指摘が一部から出ている。ただ、首相は8日の記者会見で、党内の辞任圧力はないと明言した。

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