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From60:稲葉康生の目 医師不足の根は深い /東海

 医師不足が深刻だ。産科、小児科で特に目立つ。また、救急医療の現場では患者のたらい回しが相次いでいる。一方、病院の勤務医は激務を強いられ、開業を望む医師が増えている。医療制度は問題が山積、もつれた糸がほぐせない状況に陥っている。

 厚生労働省は少し前まで、将来、医師が過剰になるとの見通しを立て、医学部定員を抑制してきた。高齢化で急増する医療費を削減するための苦肉の策でもあった。

 確かに厚労省は見通しを間違った。だが、医師不足の実態は明確になってはいない。東京医科歯科大学大学院の川渕孝一教授は著書「日本の医療が危ない」で「実は日本に医師が何人いるかさえよくわかっていない。厚労省も正確に把握できない」と指摘する。

 まず医師の数を正確に把握し、都市圏と地方の偏在状況を調べ、病院勤務医と開業医の実情を詳細につかむべきだ。そのために医師の団体と厚労省は正面から向かい合って対応してほしい。

 激務が問題化している勤務医の待遇改善も待ったなしだ。診療報酬体系を見直し、勤務医が展望を持てる仕組み作りを急ぐ必要がある。(中部本社代表室長=前社会保障担当論説委員・57歳)

毎日新聞 2008年3月9日

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