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今晩の話題 (2008年3月6日 夕刊 1面)

「住宅手当25万円」

 転職を考えている県内在住の米軍関係者がいた。年収は転職先が多かったが、基地外に住む住宅手当の月額二十五万円を足すと、転職先の収入を上回る。考えた末、そのまま働くことにしたという。

 その手当は思いやり予算など日本から直接出ていると思われがちだが、防衛省によると「出していない」らしい。

 基地内にはその予算を使って県外のゼネコンなどが建てた、まだ新しいマンションや庭付き住宅が並ぶが、空きが目立つという(二月二十五日付夕刊)。逆に、中部の民間地域に米国人向けマンションや一戸建てが建ち、黒いパラボラアンテナが並ぶ風景が目立つようになった。

 公務員や会社員なら官舎や社宅があり、住宅手当は数千円―三万円程度が相場だろう。一般的に古い官舎・社宅は本音では何かと嫌がられる。多くの人は家賃が安いから入居しているのであって、十分な手当があれば好きな場所に住むはずだ。米兵らも、伸び伸び過ごせると民間地域を選んでいるのではないか。

 前出の軍関係者の年間手当総額は、県民の平均所得を軽々と上回り、破格だ。日本でも公務の外国赴任は手当が高くなりがちで、職階が上になるほど高額になる例もあるようだ。かつて四十万円余に上る米兵がいると聞いたこともある。県内の米軍関係者らは基地外に一万人余も住めるほど高額な手当を得ている。

 基地内は空き家が目立ち、米兵らは民間地に次々と住む。すべては日米両政府のいびつな予算配分の結果だと思えてならない。(与那嶺一枝)




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