日台合作で制作が進むアニメ映画「パッテンライ!」は、金沢出身の土木技師・八田與一(よいち)の活躍を描く。タイトルは台湾語で「八田来」。八田が来た、という意味である 長男の晃夫(てるお)さんから「八田来」の由来を聞いたことがある。東洋一のダム造りを成し遂げた八田技師は、現地の人々と分け隔てなく接した。娯楽の乏しい工事現場では賭け事が流行したが、技師は警察官に掛け合い、「ささやかな楽しみだから」と、黙認させた ただし、賭けに伴うけんかは厳禁し、「騒いだらクビ」と言い渡した。そうはいっても、時に騒動は起きる。が、技師が姿を現すと、作業員は「八田来」と口にし、争いをピタリとやめたという。威圧でなく温情と規律で接したボスと、敬意を抱いて服した部下である リンチ事件に揺れる日本相撲協会のドタバタ騒ぎとは、天と地との隔たりがある。起訴された力士三人の「温情処分」が報じられた。たとえリンチであっても親方の命に逆らうことはできない、という同情論が出たとか。そんな醜い理屈が通る世界が、まだある きょうから春場所というのに、テレビ観戦になぜか身が入らない。
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