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NIKKEI NET

万能細胞から血管・心筋、マウスで京大成功

 マウスの皮膚から作製した万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」から、血管や心筋、血球など多様な細胞をつくることに、京都大の山下潤准教授と山中伸弥教授らが8日までに成功した。

 立体的に培養すると、血管によく似た組織ができることも確認。すでに人のiPS細胞を用いた研究も始めており、山下准教授は「血管や心臓の病気の治療法開発に向けた新たな一歩だ」と話している。

 13日から名古屋市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 山下准教授らは、マウスのiPS細胞から、心血管組織のもとになる前駆細胞を誘導。異なる条件で数日培養し、血管内皮や血管壁、赤血球や心筋細胞などに分化させた。また、この前駆細胞をゼラチンの中で立体的に培養すると、細い管が四方八方に伸びて毛細血管に似た組織ができたという。

 人に応用できれば、将来は動脈硬化や心筋梗塞などの治療に役立つと期待される。山下准教授は「分化の仕組みなどをさらに詳しく調べたい」としている。〔共同〕 (02:26)

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