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newsそれから:駄菓子屋「高田の星」開設1年半 主婦や若者の熱意が支え /奈良

 ◇商店街のオアシス、もり立てよう

 大和高田市片塩町の片塩商店街に、人気漫画「ALWAYS 三丁目の夕日」の昭和30年代をイメージした昔懐かしい駄菓子屋「高田の星」(西田陽昭代表)が、開設して1年半が過ぎた。住民だけでなく若い家族連れも買いに来るようになり、新しい市の人気スポットになったが、最近は思うように売上額が上がらず、ピンチを迎えている。商店街の現状や、高田の星の今後の方針を取材した。【山本和良】

 大和高田市は4キロ四方の狭い市域に、11もの商店街が連なる。かつて近隣市町からの買い物客が押し寄せ、「商都高田」と言われたが、今は中心市街地の商店街もシャッターを下ろす店が目立つ。

 大きな要因は、相次ぐ大型店の進出。さらに店主の高齢化が拍車をかけた。市などによると、94年に1157店あった市内の商店は10年間で941店に激減。人通りはピーク時の約6割に減った。

 高田の星は、片塩商店街を活性化する一つの手段として一昨年8月、大和高田商工会議所青年部の有志が出資金を出し、空き店舗を活用して、オープンした。

 西田代表らは「商店街振興と子どもの見守りのため、子どもから大人までのオアシスの場を提供しよう」と運営。店番は主に市内の主婦15人が交代し、ボランティアで支えている。

 店内は5~30円中心の駄菓子などがずらりと並ぶ。最初は予想を上回る親子連れらでにぎわい、売り上げは最高月約40万円あった。しかし、最近6カ月の平均は28万円。家賃など経費が7万円かかるため、33万円の売り上げがなければ赤字になるという。

 近鉄高田市駅近くの片塩商店街は、片塩振興協議会(布川清澄会長)が主体となり、週に1度、市内の農家から直送の野菜を格安販売したり、一店逸品運動、春と秋の「おかげ祭り」、片塩寄席、錣山(しころやま)部屋のちゃんこ鍋の会食など、客を呼び込むイベントを積極的に取り組み、活気を取り戻しつつある。

 そのため、西田代表らは「今の状況だと経営的には大変だが、店を閉めることはできない。もう一度アイデアを出し合い、安く貸してもらえる場所を探すなど、商店街の中で発展的に続けていきたい」と打開策を話し合っている。

 店番をする日下真弓さん(61)や鍵谷幸子さん(63)は「子どもたちの生き生きとした顔を見ていると、私たちも元気になる。週1回の店番が楽しい。生きがいになっている」と笑顔で話す。親しくなった子どもらは、日ごろの愚痴や、相談をメンバーらに話すなど、店は和気あいあいとしたムードが漂っている。

 行政や大和高田商工会議所の支援なしに独自で頑張っている「高田の星」。若者やボランティアらの熱意ある活動を、私は今後も見守りたい。高田の星では、ボランティアや支援者を募っている。問い合わせは西田代表(090・3822・1946)。

毎日新聞 2008年3月8日

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