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制度の問題ではありません  投稿者:まっぺん  投稿日:2008年 3月 4日(火)19時27分33秒
  純情まっすぐ君こんにちは(=^^=)/。二次会の方でも、いい話題を出してくれてますね。

ぼくはコナンさんがこだわる北欧の福祉制度について、それを否定したことはありません。日本よりも遙かに優れている、とも言ってきました。しかし、コナンさんがこれを持ち出したのは、私が「原理」としての階級社会の問題について語っていた時であって、そもそも話題が噛み合っていません。

私たちが現在も「階級社会」の中に暮らしているという事実に立って、貧困や犯罪など多くの問題の根元は「階級社会であること」から来る矛盾にあると私は理解しています。ですから、階級の消滅、つまり社会主義を目標にしなければ、どんな解決手段も、一次的なものに過ぎず、階級的力関係の変化によって、そのような手段は粉砕されるだろうと私は言っているのです。世界経済の停滞の中でグローバリゼーションが進められています。果たして北欧社会主義はこの重圧に耐えていく事ができるでしょうか。様々な資料が、その難しさを指摘しています。

国家の問題は階級闘争の問題と直結しています。「どちらの階級が国家権力を掌握するのか」によって、政策がまるでちがってきます。もし私が権力を握ったら反対者を投獄する、という言葉尻をとらえてコナンさんは偏見をぶちまけてくれましたが、階級的性格を考えれば、どの国家も常にそのように機能しています。例えば「私有財産制」に基礎を置く日本では「共有財産制」を主張しそれを実行する者を「窃盗・強盗」の名で逮捕するでしょう。一方「共有財産制」に基礎を置く社会ができたとすれば、その中で「私有財産」を主張し蓄財するものは犯罪者となります。社会主義国家にあっては、敵階級(ブルジョアジー)は社会主義建設を妨害するために様々な事をするでしょう。そうなればそのような活動に対して「破防法」「内乱罪」その他の法律を適用する事になるでしょう。

「破防法」「内乱罪」は「誰が誰に対して何のために行うのか」によってその意味が180度ちがってきます。

●「資本主義国家が社会主義者に対して行使する場合
●「社会主義国家が資本主義者に対して行使する場合

私は前者に反対します。コナンさんは後者に反対します。ここからも、コナンさんが「左翼ではない」事がおわかりと思います。

なお、国家について語る時、過去のロシア革命とソ連の経験から私たちは重要な事実を踏まえなければなりません。いったん社会主義国家(正確には、社会主義を目指す過渡期国家)ができた時、その外部にいる資本家たちはこれに敵対します。かれらから祖国を防衛するために当然にも社会主義国家は武装します。トロツキーは「革命的軍国主義」と言っていました。

しかし、社会主義が実現するためには国家は消滅に向かわなければなりません。軍備を固める事は逆に国家を固定してゆく事になります。社会主義建設が難しいことの理由のひとつですね。ソ連は軍備を固め、アメリカとの軍拡競争に引きずり込まれて行きました。そのため、経済的にも疲弊し、政治的にはますます官僚主義となり、民主主義からどんどん遠ざかっていきました。社会主義者は、どうやって資本家階級からの妨害をはねのけるか、そしていかに民主的で安定した社会主義を建設していくのか、というふたつの矛盾した課題を解決していかねばなりません。いま、ラテンアメリカ諸国では国家規模で、また幾つかの国々では国内左翼勢力が、そのような課題に取り組んでおります。これらに注目していきたいと思います。
 
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