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ファンドビュー:日本の小型成長株、数カ月以内に大幅上昇も=ドイチェAM

2008年03月07日17時25分

 大林 優香記者  

 [東京 7日 ロイター] ドイチェ・アセット・マネジメントのマネージング・ディレクター、越智明彦氏は、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題で危機に直面する金融保証会社「モノライン」への資本注入などが数カ月以内に行われる公算が大きいとみており、金融市場が安定に向かえば「割安な日本の小型成長株が大きく上昇する」とみている。5日に行ったロイターとのインタビューで語った。

 また、中小型株の中でも、海外の需要を取り込めるビジネスを展開するACCESS<4813.T>や新日本科学<2395.T>などの成長企業が「長期的な投資対象として魅力的」との見方を示した。 

 <目標はハイリターン・ミドルリスク型> 

 越智氏は中小型株投信「ドイチェ・ジャパン・グロース・オープン(愛称:咸臨丸)」<62002628JP>を中心に約1000億円の中小型の運用を統括している。咸臨丸は、投信情報サービス会社リッパーがきょう発表した「リッパー・ファンド・アワード」で、評価期間5年の日本株中小型分類の最優秀ファンドに選定された。

 リッパーによると07年末までの5年間では、中小型分類投信43本の平均上昇率が115%だったのに対し、咸臨丸は198%上昇した。越智氏は、中長期の成長性を見極めた銘柄選定とバリュエーションの変化に対応した適切なウエート調整の成果と指摘する。

 「株価収益率(PER)が切り上がる上昇相場では株価上昇率が高い高成長株の比率を上げ、下落相場ではポートフォリオを保守的に抑えてリスクを低減する」ことが基本で、05年までは高成長企業の比率を高く維持し、06年から07年夏までは低成長の割安銘柄にシフトした。夏以降は成長株がバリュー株対比で歴史的な割安水準に落ち込んだため、再びACCESSのような高成長株の比率を除々に引き上げたという。

 「下げ局面では競合ファンドの中で平均的な成績に抑え、上昇相場ではトップを取る」というハイリターン・ミドルリスク型を目指しており、「この5年はそれを実現できた」と振り返る。

 越智氏は、個別企業の調査・分析から投資判断するボトムアップ・アプローチに加え、マクロ的な投資環境の予測から入るトップダウン・アプローチで「バリュエーションの転換点」の分析を重視したことが好成績につながったと指摘する。  

 <中小型株でもグローバル展開がカギ> 

 今後の見通しについて越智氏は、モノラインと金融機関への資本注入が数カ月以内に行われ「マーケット全体はボトムを打つ」可能性が大きいとみている。現状では不透明要素もあるため高成長株と割安株のダンベル型のポートフォリオにしているが、「サブプライム問題が落ち着き、市場の問題が構造問題に至らないことが明確になれば、割安な小型の成長株はバリュエーションの修正が入り、大きく上げる。その時点でわれわれのポートフォリオもさらに積極的なものに変える」という。

 2月末時点での咸臨丸の組入上位銘柄は、ACCESSが15.9%でトップ。ディー・エヌ・エー<2432.T>の4.9%、東洋炭素<5310.T>の4.4%が続く。

 投資対象として有望視しているのはACCESSや新日本科学のようにグローバル市場向けに事業を展開する企業。また、今は内需型企業でも、巨大な消費市場として台頭している中国やインドに「日本のサービスを移植する」企業が出てくれば、魅力的な投資対象になるとみている。

 咸臨丸の市場別組入比率は東証1部が57.6%、東証2部が3%、ジャスダックが12.9%、マザーズが24.4%。越智氏は長期的には日本の潜在成長力が弱まり、円が下落すると予想しており「日本の中でもより成長性の高いところに投資資金が流れる」とみる。このため、今後は成長企業が多いジャスダックやマザーズ市場の重要性が増すとみている。

(ロイター日本語ニュース 取材協力 イレイン・リーズ記者 編集 石田仁志)

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