鈴木貴博:サブプライム後の投資はまた不動産?
僕の会社の本業はコンサルティング業だが、副業としてマンション経営も行っている。マンション経営といっても、主に中古の不動産を購入して、投資用に貸し出す仕事だ。簡単にいえば“大家さん業”である。
元々は、会社の内部留保を効率的に運用しなければならない関係で始めたもので、その意味では株式や投資信託などの投資と同列で考えている。一般的にも不動産投資は、資産家にとって株・債券と並んでポピュラーな投資先の1つだ。
だが不動産投資というと、何やらリスキーに感じる方も多いかもしれない。バブルのころに不動産に手を出して痛い目に遭われた方はなおさらだろう。それでも資金運用全般の視点でいえば、今年度は株や債権による資金運用は少々難しい。米国のサブプライムローン問題が引き金となって世界経済が混乱している現在、これからも市場に何が起こるかは分からないからだ。
サブプライム問題発生以降、米国株や欧州株といった長期安定運用を狙える株式投資は短期的に大きなリスクを抱えるようになった。しかも問題の引き金が貸し付けにあるため、債券相場にも大きな影響がある。欧米株以外の中国株・インド株なども、なまじ昨年に株価が高騰した分、いつ安定軌道に戻るかヒヤヒヤものだ。
結局のところ、株も債券も、2008年についていえば、運用に充てるには少々リスクが大きいという問題がある。その意味で、証券類はいったん現金に換えて、機会を見て運用先を探すというのが、今年の場合は正しいスタンスかもしれない。
その中で投資用不動産は、一般的に、株よりもリスクは小さいといわれている。特に中古の物件を投資用に購入する場合には、利回りの計算をある程度“堅い”見込みで行うことができるので、新築よりもさらにリスクは小さいことになる。
現時点では、都心を中心に不動産価格はずいぶん高くなってきた。その意味では今は投資先を探すのは慎重にした方がいいかもしれない。逆に5年前ぐらいの不況の時期には格安物件は至る所にあった。
サブプライム問題がどれだけ日本の不動産業界に影響を及ぼすのか――不透明ではあるが、1~2年の内に、また不動産の絶好の買い場がきてもおかしくはないと、僕は思っている。
詳しくは、bp special「“高付加価値経営”を生み出すITマネジメント」サイトでご覧になれます。
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