中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 静岡 > 3月8日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【静岡】

4月から焼津市立総合病院が 軽症患者の時間外加算を健保適用対象外に

2008年3月8日

市議会で院長表明

 焼津市立総合病院は4月1日から、緊急性の低い軽症患者が、深夜や休日の時間外(救急)診療を受けた際、診療費に上乗せする「時間外加算」を、健康保険の適用対象とせずに全額患者負担で徴収する。7日に開かれた市議会2月定例会の一般質問で、太田信隆院長が明らかにした。 (藤川大樹)

 安易な救急利用に歯止めをかけ、医師の負担を軽減する狙い。県内ではすでに一部の病院で実施しており、2006年11月に導入した磐田市立総合病院では、救急患者数が5%ほど減るなど、効果が上がっている。志太榛原地域のほかの3公立病院(島田市民、藤枝市立総合、榛原総合)でも導入を検討している。

 焼津市立総合病院では、緊急性があるかどうかは医師が判断。緊急性が認められなければ、患者は診療代に加え、これまで7割が保険料で賄われていた時間外加算(時間帯によって650円−4800円)が全額自己負担となる。6歳未満の乳幼児は対象外にする予定。

 背景に医師不足が深刻化する中、「学校や仕事の都合で昼間に受診できない」など、安易な理由で救急外来を利用する患者が増え、医師が疲弊しているという現状がある。

 焼津市立総合病院では2006年度、2万8599人の患者が時間外に来院。このうち入院が必要な患者は3181人だった。

 太田院長は「医師たちは軽症患者の対応に追われ、中核病院が担うべき緊急患者に十分対応できていない」と指摘。「このままでは医療崩壊を招くおそれがあり、救急患者数の適正化を図る必要がある」と、理解を求めている。

 

この記事を印刷する