焼津市立総合病院(太田信隆病院長)は7日までに、夜間など通常時間以外の診察で診療代に上乗せする「時間外加算」を、緊急性や重篤性のない患者に限り4月から全額自費負担とすることを決めた。同日の市議会一般質問で太田病院長が明らかにした。比較的軽い症状でも「仕事が忙しい」などの理由で日中ではなく夜間救急を受診する患者が後を絶たないためで、太田病院長は「このままでは真に救急医療が必要な人への対応が遅れかねない」とし、市民に理解を求めている。 これまで時間外加算は保険を適用し、患者の負担は3割だった。額は時間帯や曜日で異なる。例えば、午後10時から翌朝6時までの間の初診は、保険適用で1440円だった加算額が、4月以降は4800円に上がる。3割か全額かの判断は、症状の重さ、切迫度で医師が判断する。救急車で搬送された場合も例外ではない。ただし、6歳未満の幼児には適用しない。 同様の制度は磐田市立総合病院が導入済み。焼津市立を含む志太榛原地区の4公立4病院は2月中旬、救急医療に関する協議会を設立し、時間外加算の全額自費制を前向きに検討する方針を打ち出していた。 焼津市立総合病院によると、夜間救急受診者の重症度の尺度となる入院率は近年、県内の拠点病院中で同病院が最も低い。太田病院長は「全額自費はペナルティーではなく、患者さんにも受診の在り方を見直してほしいという医療現場からのメッセージ」と話している。 |