民主党は7日、福井俊彦日銀総裁(72)の後任に武藤敏郎副総裁(64)を昇格させる日銀正副総裁人事の政府案に対する賛否を11日に判断する方針を決めた。11日の武藤氏らの所信聴取や質疑を踏まえ、同日中に国会役員連絡会で結論をまとめる。福井氏らの任期切れが19日に迫る中、小沢一郎代表の判断が焦点となるが、党内は改めて武藤氏昇格に反対論が強まっており、不同意で最終調整する。
町村信孝官房長官は7日、民主党の鳩山由紀夫幹事長に会い、14日の衆参両院本会議での採決に応じるよう要請。この後、民主党の山岡賢次国対委員長は自民党の大島理森国対委員長に対し、採決日の12日への前倒しを求めた。人事案を否決した場合、政府が再提示できる時間を確保させる狙いとみられる。
人事案提示を受けて民主党は、国会同意人事検討小委員会を開催。さらに小沢氏と鳩山氏、菅直人代表代行らが対応を協議した。小沢氏は「男で東大法学部という従来の日銀総裁像を打破しよう」と述べたという。別の出席者は「反対で方向性は変わっていない。小沢氏も同じ方向だ」と指摘。党幹部は「代表も含めて不同意の流れを作ってきた。代表も中途半端なことはできない」と述べ、小沢氏の意向は変わらないとの見方を示した。
鳩山氏は記者会見で「大事な人事なのに、なぜ早い段階で出さなかったのか。人事の遅れで空席が生じても民主党に責任があるとは全く思わない」と指摘した。【川上克己】
毎日新聞 2008年3月7日 21時56分 (最終更新時間 3月8日 2時36分)