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社会

木の城たいせつ破たん 負債68億円 住宅不況響く(03/06 07:05)

 【栗山】住宅メーカー道内大手の「木の城たいせつ」(空知管内栗山町、山口昭社長)は五日、事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。近く自己破産を申請する。帝国データバンク札幌支店によると、負債総額は約六十八億円。建材製造部門のたいせつ構証(同)や施工の匠一(同)などグループ四社も事後処理を一任されたもようだ。グループ五社で約六百人いる従業員の処遇は、分かっていない。

 同社は、創業者オーナーの山口氏が一九六〇年に設立した匠建設が前身。冬を快適に暮らす住宅を目指してすり鉢状の屋根の上で雪を溶かす構造の「無落雪住宅」、耐久性が売り物の「百年住宅」を相次いで開発し、道内住宅メーカーの先駆者として業績を伸ばした。これまでの建築実績は約一万九千棟。

 二〇〇四年には、当時の小泉純一郎首相が栗山の本社を視察で訪れたほか、山口社長が一九九四年に出版した著書「もったいない」が二十万部のベストセラーを記録するなど道外でも知名度が高かった。

 だが景気低迷による住宅着工の落ち込みで、売上高は二〇〇〇年五月期の約二百二億円から、〇七年五月期は約九十四億円へと半減。今年二月には〇五年に会長に退いていた山口氏が社長に復帰し、会長には大阪でレジャー、レストラン事業などを展開する晋陽グループ社長の河本健次氏が就任するなど経営陣を大幅に入れ替えて立て直しを図ったが、業績回復の見通しが立たなかった。

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