三月に入り、県や市町村議会で二〇〇八年度当初予算案の審議が行われています。予算は行政活動の基本であり、首長の政治姿勢を端的に表すものといえます。
岡山県の一般会計は〇七年度当初比1・5%減。石井正弘知事の三期目の総仕上げとして注目されましたが、七年連続マイナス編成と厳しい財政運営を印象づけました。
もっとも、景気の減速懸念や地方交付税の抑制傾向が続く中、緊縮型予算は全国的な傾向。知事選で暫定、骨格だった大阪、熊本を除く四十五都道府県のうち、〇七年度比マイナスは三十四道県。広島県は3・1%減、香川県も3・5%減と、厳しいやり繰りを強いられています。
ただ、予算で重要なのは、どんな地域の将来像を描き、そのための戦略やメッセージが込められているかにあります。財源が限られるほど、重点施策を絞り込んで優先配分するなど、メリハリが必要。その面では岡山県の今予算案は物足りなさも感じざるを得ません。
企業経営には決算という明確な成績表があり、トップの経営手腕は売り上げや利益といった目に見える形で表れます。成績が悪ければ株主から厳しく責任を問われます。自治体では、住民が首長の行政手腕を評価する場は、リコールなど除けば四年に一度の選挙しかありません。今秋予定の岡山県知事選はその貴重な機会です。
一日付で経済部から異動になりました。政治部勤務は六年ぶり。県政の節目の年に、新鮮な気持ちで紙面づくりに当たりたいと思います。
(政治部・桑原功)