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<イージス艦事故>当直の3等海佐を書類送検へ 3管海保

3月8日2時32分配信 毎日新聞


 千葉・野島崎沖で2月、海上自衛隊のイージス艦「あたご」(7750トン)とマグロはえ縄漁船「清徳丸」(7.3トン)が衝突し、漁船の2人が行方不明になった事故で、第3管区海上保安本部(横浜)はあたご側に回避義務があったとの見方を強め、あたごの水雷長で衝突当時に当直士官を務めていた3等海佐を業務上過失往来危険容疑などで横浜地検に書類送検する方針を固めた。

 仮眠中だった舩渡(ふなと)健艦長(52)については、指揮の全権を当直責任者の水雷長に委任していた点などから立件を慎重に検討している。他の当直員らの過失の有無についてもさらに調べを進めている。

 3管や防衛省の調べでは、あたごは当直交代直後の2月19日午前4時前、海自横須賀基地に向けて約10ノット(時速約18.5キロ)で航行中、右前方に清徳丸を含む漁船群が存在していることを見張り員の目視や水上レーダーなどで認識できたにもかかわらず、自動操舵(そうだ)で直進を続けた。午前4時6分ごろ、野島崎から南南西約40キロの海上で清徳丸の接近に気づき、手動操舵に切り替えて全力後進をかけたが、同7分ごろ、清徳丸の左舷側と衝突した。清徳丸は船体が分断して沈没。船長の吉清(きちせい)治夫さん(58)と長男哲大(てつひろ)さん(23)が行方不明になっている。

 3管は事故当日、海自横須賀基地に回航されたあたごを家宅捜索し強制捜査に着手。これまでに舩渡艦長ら乗組員40人以上と清徳丸の僚船の船長らから事情聴取し、漁船群の航路を記録したGPS(全地球測位システム)などを分析。あたごと清徳丸は進路が交差する「横切り船航法」と言われる位置関係にあり、右舷側に清徳丸を見るあたごに海上衝突予防法で定める回避義務があったとの見方を強めている。

 特に、衝突前に航海長から当直士官を引き継いだ水雷長は▽艦長から全権委任され、最高責任者として艦橋で指揮していた▽清徳丸を自らレーダーや目視で確認できる立場で、衝突の危険性を察知できた▽衝突1分前より早い段階で回避措置を取れた−−として、立件が妥当と判断した。

 分断された清徳丸の船体は専門家が鑑定中で、3管は鑑定結果を待って衝突時の角度などをさらに調べる。

 【横切り船航法】 海上衝突予防法15条は、2隻の動力船の進路が交差し衝突の恐れがある場合、他船を右舷側に見る船(避航船)に回避義務があると規定している。避航船は、右転、後進などで、相手船の進路を避けなければならない。一方、同法17条では、左舷側に相手船を見る船(保持船)は針路、速力を保持しなければならない。今回の事故では、あたごが避航船、清徳丸が保持船に当たるとみられる。

最終更新:3月8日2時32分




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