「シー・シェパード」による妨害活動を受け、外務省漁業室は7日、抗議船の船籍があるオランダと母港があるオーストラリアの各在日大使館に電話で抗議した。警告弾でス号の船長らが「負傷した」と主張していることに対しては「警告弾は音を発するだけで、危害を加えるものではない」と反論している。
一方、町村信孝官房長官は7日の記者会見で「政府としても必要な措置をとっていかなければならない。例えば催涙弾の発射も必要に応じて当然あるだろう」と警告した。
これに関連して外務省幹部は同日、反捕鯨団体の妨害活動が終息する気配がないことに「非常に困っている。米国のNGO(非政府組織)であり、米国への申し入れも考えている」と述べた。【鵜塚健、坂口裕彦】
【海上保安庁の警告弾】 ソフトボールほどの大きさの手投げ式。ひもを引っ張った後に投げると、数秒後に空中で火薬により破裂して大きな音が響く。違法操業の外国漁船の取り締まりなどの際、逃走を停止させる目的などで使用しており、音を出すもののほか、閃光(せんこう)を発するものやペイントで着色するものもある。
毎日新聞 2008年3月7日 20時04分 (最終更新時間 3月8日 0時57分)