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貸金業者 ピークの5分の1に 法改正で廃業増
このニュースのトピックス:金融業界
金融庁が7日更新した消費者金融など貸金業関係の統計資料集によると、全国の貸金業者数は1月末現在で9819社となり、昭和58年の貸金業規制法施行以来初めて1万社を割り込んだ。昨年3月末と比べ17・0%減り、ピークだった61年3月末と比べほぼ5分の1にまで減少した。
貸金業者の減少が続いているのは、平成15年に成立したヤミ金融対策法で登録条件が厳格化され、新規参入が激減したことがきっかけ。さらに18年末に成立した改正貸金業法で、今後2年間をめどに上限金利の引き下げや融資総量規制導入が決まっている上、利息制限法を上回るグレーゾーン金利の返還訴訟が相次ぐなど営業環境は厳しさを増していることも影響している。
なかでも歴史の浅い中小零細業者の不振が目立つ。貸金業者は3年ごとに登録を更新する必要があるが、新規登録から2回目の登録を行うまでに、ほぼ半数が自主的な廃業や行政処分による登録取り消しなどで退出している。また、改正貸金業では純資産2000万円未満の業者は21年をめどに営業できなくなる規制強化が導入され、規模の小さな業者は営業継続が難しくなる。今後も業者数減少は止まらないとみられる。
一方、昨年3月末の貸付残高によると、消費者向け無担保貸し付けの残高は合計9兆8993億円に上り、うち89・7%が改正貸金業法で新たに上限とされる「金利20%」を超えていた。昨年は新規契約の金利引き下げが相次いだが、消費者金融大手4社でも昨年末の「金利20%」以下の貸し出しはなお残高の4分の1程度にとどまっているとみられ、2年後めどの上限金利引き下げへの対応が急務となる。