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増える国外犯捜査 対象の邦人殺害、昨年以降で5件

2008年03月07日15時14分

 海外で日本人が殺された事件で、警察が刑法の国外犯規定に基づき捜査に乗りだすケースが増えている。警視庁が現在調べているのは、フィリピン、タイ、ミャンマー(ビルマ)で昨年、東京都出身の男性5人が殺害されたとされる5事件。03年の刑法改正で関係規定ができてから06年までは計3件にとどまっており、最近の増加ぶりが目立つ。国境の壁に阻まれがちな国外事件で、現地の捜査を促す狙いも込める。

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 昨年12月にタイで中園浩さん(当時67)が殺された事件で、同国の警察は今年1月、現地に住む日本人の自称眼鏡店経営の男(59)を殺人容疑で逮捕した。容疑を否認しており、殺害方法や動機は不明のままだ。男は別人になりすまして現地で3年にわたり暮らしていたことが警視庁の調べで判明。殺人事件に日本人の共犯がいるとの情報もあり、警視庁は現地警察当局との連携が必要と判断し、2月20日に遺体を国内に移して司法解剖した。2日からは現地に捜査員を派遣している。

 ジャーナリストの長井健司さん(当時50)が銃撃された事件でも警視庁が司法解剖した。2月18日に外務省職員とともに捜査員を現地に派遣し、情報交換した。

 フィリピン・セブ島で須田太郎さん(同36)が殺された事件では、同国国家警察が殺人請負組織のメンバーとされる男3人を拘束した。警視庁はこの組織が日下博さん(同49)殺害にも関与したとみている。

 同国では昨年9月にも、台東区出身の石川修一郎さん(同63)が首をつった状態で死亡しているのが見つかり、警視庁は事件の可能性があるとみて捜査している。

 外務省によると、海外で殺害された日本人は06年までの10年間で170人で、うちアジアでの事件が80人を占める。保険金目当てに海外で日本人が現地の人間に依頼し日本人を殺す事件も発生しているという。

 国外犯規定に基づく捜査の増加について、警視庁幹部は「被害者と加害者の接点が日本にあるケースも少なくない。こちらが捜査することで現地当局の捜査を後押しする狙いもある」と話す。(大谷聡)

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