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時間外加算:緊急性低い患者対象、実費に--志太・榛原地域4総合病院 /静岡

 志太・榛原地域の4総合病院は、夜間や休日に救急患者を診察した際、診療代に上乗せする「時間外加算」について、緊急性がない患者に限っては保険の適用外にする方針を固めた。軽い病気でコンビニエンスストアに行くように時間外診療を利用するケースを実質的な「値上げ」で減らし、医師の負担を軽くするのが狙い。焼津市立総合病院が来月1日から実施し、榛原総合、島田市民、藤枝市立総合の3病院も順次実施に踏み切る見通し。

 現在の保険制度では、「緊急の受診の必要がない場合」は時間外加算には保険を適用しないとされており、それを厳格適用する。

 今回の措置の背景には、全国的に地方病院で医師が不足する中、軽い腹痛などで体制が手薄な夜間などに救急外来に来る患者への対応が負担になり、医師不足加速の一因になっているとの指摘がある。実際、焼津病院では内科医1人が診る救急患者数は県平均の約2倍に上り、激務が原因で辞めた医師もいたという。

 しかし、「昼間に病院に行けない」と軽症で夜間診療所代わりに救急外来を利用する患者は多く、4病院の救急外来に自力で来た患者で、直後に入院したのはわずか9%だけ。特に焼津の入院率は県内最低水準だという。

 そこで、軽症患者の実費負担を増やすことで、緊急性のない患者の来院に歯止めをかけることにした。例えば午後10時以降に診察した場合、通常の診察代に時間外加算(初診4800円、再診4200円)がかかる。これまでは原則7割が保険で賄われていたが、新たな仕組みでは、医師が「緊急性がない」と判断した場合は、時間外加算の分は全額が患者の実費負担になる。

 同様の仕組みを06年11月から導入した磐田市立総合病院では、月間約2000人ほどだった救急外来の患者数が、導入後は軽症患者を中心に100人ほど減ったという。同病院の北村宏院長は「診察が必要な救急患者はいつでも診察することを徹底しており、救急直後に入院した重症患者は逆に増えた」と話している。【稲生陽】

毎日新聞 2008年3月7日

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