「冷蔵庫の音も、植物が枯れても、全部恋愛や曲に直結する」 |

■シングル3曲目の『寒いね・・・』もいい曲ですよね。寒いねと言い合えるあなたがいれば良かったっていう……。ピアノ1本のアレンジもすごくきれいだし。
aiko:ありがとうございます。この曲、私もすごく好きなんですよ。曲ができる前から、“今から毎日泣いてばかりよ〜”ってディレクターの前でちょくちょく歌ってたんですよ。“それ、ホントに好きだねぇ”くらいの反応しか返ってこなかったんですけど(笑)、ちゃんとCDになってうれしいです。『寒いね・・・』は、今私はこれが言いたかったんだなっていうのをちゃんと込めることができた気がしてるので。
■自分のなかにあるホントの気持ちを、自分の曲をとおして確認するというか。
aiko:曲はね、意外とどんなところからでもできるんですよ。最近ひとりでドライブするようになって、たまに頑張って江ノ島まで行ったりするんですけど、そういうときも“10代のころからドライブっていうと必ず海やったなぁ”って思い出して、それが曲になったりとか。あと、長いトンネルのなかを走ってると“出口まで何キロです”って表示があるじゃないですか。それを見て“恋愛のこともそんなふうに教えてくれたらいいのに”って思って、バーッとできることもあるし。私、普段は家からあまり出たりしないんですよ。だからいまだに目にする光景がとても新鮮なんですけど、それもうれしいですね。
■すごいなぁ、それ。家の近所の風景も新鮮に感じられるんですか?
aiko:家に帰るときもそうですよ。エレベーターから自分の部屋までの廊下って、夜の12時以降は電気が消えるんですけど、それも毎日違うんですよ。ホントに真っ暗なときもあるし、星がキレイに見えるときもあるし、月明かりでほんのり明るいときもあるし。その廊下を歩いてるときに自分の気持ちをリセットすることが多くて、そこから3曲くらいできてますからね。『夢の中のまっすぐな道』に入ってる『星物語』とか、『暁のラブレター』に入ってる『白い服黒い服』とか。
■普通に家にいるときも?
aiko:できますね! 家にね、ちょっと毛足の長いじゅうたんがあるんですけど、それをこうやって(足で触って)ると“このなかで好きな人と一緒に包まれたい”なんて思ったりして。毛足がちょっと長いだけで、すごく優しいじゃないですか。あの感じがすごく好きで……。ただ、いろんなゴミくずも集めちゃうから、いつもキレイにしてなくちゃいけないでしょ。そこから“好きな人に対しては、いつもちゃんとしていたい”っていう気持ちにつながったり。そういうのはたくさんありますね。冷蔵庫の音を聞いてても、植物がひとつ枯れても、全部恋愛とか曲に直結しちゃうんですよ。
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「冷蔵庫の音も、植物が枯れても、全部恋愛や曲に直結する」 |
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