〈31〉ローマ編:ヴァチカン博物館④ キアラモンティ美術館
テーマ:〈旅行特別編〉イタリア紀行一個前のブログの最後にアップされた写真は実はキアラモンティ美術館を写したものである。
ピオ・クレメンティーノ美術館と同じく、キアラモンティ美術館も彫刻の展示を中心とするもので、回廊の両側に帝政期の英雄たちが立ち並んでいる。19世紀の頃、ピウス7世の命により、彫刻家のアントニオ・カノーヴァが収集に手がけて、約1,000点もの古代彫刻がここに集められている。
これがナイル川の像。いままで私が見てきた川の神様のどの像よりもスケールが大きくて、実に立派である。私がこの像を見つめながら、芸術作品は人間の信仰心を仰ぎたてるには実に役に立つものだと再び実感した。
この写真がぶれてよく撮れなかったが、古代ローマ帝国初代皇帝をモデルにした「プリマポルタのアウグストゥス」の像である。数多く残されたアウグストゥスの大理石像のなか、1863年に発掘されたこの軍装姿の像は保存状態が最もよいものとされており、ローマ美術の代表作として高い評価を受けている。
足元の子供は女神ウェヌス(ヴィーナス)の子とされるアモル(キューピッド)で、ウェヌスとの血のつながりがここで暗示されているでしょう。その理由はアウグストゥスがガイウス・ユリウス・カエサルの養子であることで、ユリウス一族は自分をウェヌスの子孫だと主張しているものである。
ギリシアの彫刻が収蔵されている部屋。入場禁止だが、開いた入口から中の様子を覗くことができる。左前に円盤を投げる選手の像が見える。