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奈良県立3病院の特別会計、初の赤字予算に 減収、借金が圧迫
奈良県立奈良(奈良市)、三室(三郷町)、五條(五條市)の3病院の経営が悪化して収支不足に陥り、3病院を統括する平成20年度病院事業費特別会計が「赤字予算」となったことが6日、明らかになった。赤字予算の編成は、昭和47年度の同会計発足以来初めて。患者の減少などで収入が減ったうえ、病院建設時に要した借金の返済が経営を圧迫した。不足額は約7億8000万円で、県は一般会計から一時的に借り入れて対処する方針。
この日の県議会厚生委員会で、県の担当者が明らかにした。
県によると、3病院では、19年度の医師数が16年度比で13人(8・2%)減の計145人となったことに伴い、同期間の1日平均の外来・入院患者数も411人(12・9%)減少。また、18年度の診療報酬のマイナス改定で、18年度の入院・外来収益は、17年度比で約5億5000万円(3・2%)減の176億円となっていた。
一方、病院建設時に発行した企業債の償還に充てる内部留保資金も、15年度末の16億7000万円から19年度末には6億3000万円まで減少。こうしたことから、20年度は赤字予算の編成を余儀なくされた。
県は、奈良病院と三室病院の企業債償還が19、20の両年度に満了して内部留保資金が増加に転じることや、20年度以降、県立病院の医師確保や数値目標設定による経営改善などに取り組む方針。「経営状況は依然厳しいが、21年度以降の赤字予算からの脱却は可能」としている。