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武器に戦闘機、潜水艦…後進国から返品相次ぐ ロシアの軍事産業 (2/2ページ)

2008.3.6 22:53

 一連の問題と符節を合わせるように、北アフリカ地域への武器輸出で存在感を増しているフランスは、アルジェリアにラファール戦闘機購入を打診。米国はインドに中古キティ・ホーク空母の供与を持ちかけており、両国の攻勢もロシア離れの大きな要因とみられる。

 近年まで武器輸出の4割以上を占めていた中国との間でもすきま風が強まっており、現在、同国との大型契約は存在しない。05年に契約したイリューシン76輸送機34機と同78空中給油機4機の売却は、ロシア側の製造能力不足から潰れた。

 露紙の独立新聞は、軍需産業での技術者不足と設備老朽化、製造能力を超えた受注といった問題点に加え、「もはや第三世界でも単純な武器ではなく、(高度な)偵察・攻撃複合武器が求められている」とロシアとの認識のズレを指摘する。

 特に、ライセンス供与を通じて武器製造能力を高めてきた中国に対しては露軍部内に警戒感が強く、中国は最新武器を売却しないロシアへの不満を募らせている。同紙は「欧州連合(EU)の対中武器禁輸が解除された場合は最重要市場を失いかねない」と危機感をあらわにしている。

 武器製造以外でも、ノルウェーの大手船舶会社「Odfjell」が先月末に化学タンカー12隻の建造契約を破棄。ロシアが追加費用を要請したうえ、昨年の納期を守らなかった。中国はロシアが建設協力する江蘇省田湾原発について品質に不満を表明、露原子力庁も問題が多岐にわたる大規模なものであることを認めている。

 プーチン政権は航空機製造と造船分野で統合国策企業を創設、原子力分野でも同様の戦略を固めている。政権はこれら国策分野を製造業復活の起爆剤としたい考えだが、大号令と裏腹に現実は厳しいようだ。

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