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社説(2008年3月6日朝刊)

[レジ袋有料化]

ライフスタイル変えよう

 県内の大手スーパー十社が五月下旬から、全県一斉にレジ袋の有料化に踏み切る見通しとなった。

 県環境整備課によると、スーパー各社と県、市民団体が早ければ今月中にも「レジ袋削減に向けた取り組みに関する協定」を結ぶ予定だという。有料化による収益金は環境保全活動に使われる。

 容器包装ごみを減らしていくための、事業者・行政・市民団体が一体となった取り組みを歓迎したい。

 環境省によると、レジ袋やペットボトル、食品トレー、ガラス瓶などの容器包装ごみは、家庭から排出されるごみの容積の六割を占める。

 国内で使用されるレジ袋は年間で約三百億枚に達し、使い捨てによってドラム缶二百八十万本(五十六万キロリットル)の石油が浪費される計算だ。

 容器包装ごみの削減と再利用を進めるため、一九九五年に容器包装リサイクル法が制定され、二〇〇〇年に全面施行された。

 〇六年六月の法改正で、スーパーやコンビニなどの小売店に減量化を義務付ける一方、削減努力が足りない業者に対しては、国が是正命令を出せるようにした。

 改正法は、今年四月から全面施行されることになっており、レジ袋の全県有料化もこうした流れに沿ったものだ。

 昨年九月から十一月にかけて、那覇市の新都心地区にある六店舗がレジ袋有料化の実証実験を試みた。レジ袋の使用量は推計で百八万枚減り、買い物客のマイバッグ持参率が実験前より44ポイント増え53%にまで高まったという。

 環境省が昨年三月に実施したアンケート調査では、46・4%が有料化に賛成し、28・9%が反対した。反対理由の中に「有料化してもレジ袋の使用は減らない」という意見があったが、買い物袋の持参を呼び掛けるマイバッグキャンペーンとレジ袋の有料化によってレジ袋の使用量が減ることは、全国各地の取り組みや県内での実証実験などで証明されている。

 確かに、マイバッグを持参するのは面倒だという人が少なくない。「大量生産・大量消費・大量廃棄」の時代に染み付いたライフスタイルを変えるのは容易でないが、消費者の意識改革なしに環境問題は前進しない。

 「リデュース」(できるだけごみをださない)、「リユース」(使えるものは繰り返し使う)、「リサイクル」(ごみは資源として再利用する)の3Rを各家庭に定着させるため、環境教育や啓発活動をあらゆる機会を利用して進めていく必要がある。



社説(2008年3月6日朝刊)

[中国国防予算]

透明性欠き不安定招く

 中国政府の二〇〇八年度予算案の国防費は、約四千百七十七億六千九百万元(約六兆六百億円)に上ることが明らかになった。前年度実績比17・6%増で二十年連続二けたの伸び率という。

 公表額では昨年日本を抜き、アジアで一位。「実質的には米国に次ぐ世界二位」(軍事専門家)の軍事大国だ。

 国防費には宇宙技術や兵器の開発、武装警察などの費用は含まれておらず、実質的な国防費は公表額の二、三倍といわれる。

 透明性の欠如に関しては、戦車や潜水艦の数も公表していないと指摘する専門家もいるくらいだ。透明性を欠いたまま、国防費拡大を続ければ、周辺諸国の疑心暗鬼を生み、「中国脅威論」にますます拍車が掛かるだろう。

 沖縄は、与那国が台湾と国境を接しており、私たちとも無関係ではない。

 一九九六年三月に中国が台湾の総統選挙をにらみ、台湾沖にミサイルを撃ち込んで威嚇。米国が空母を派遣するなど与那国の間近で「中台危機」が発生し、緊迫化したことがある。

 中国は九〇年代まで「経済建設に服従する」として国防を抑制。急速な経済発展に伴い、二〇〇二年の共産党大会で「経済建設と協調する」と格上げ。昨年の党大会で「国家の富強と軍隊強化を統合する」として国防力強化を明確にしている。

 中国外務省は「中国の軍備は防御的なものだ。内政干渉」と、「中国脅威論」をまき散らしていると逆に批判する。ならば、中国はそれを証明するためにも、国防費の使途を含め情報公開を進め、信頼醸成を図っていかなければならない。そうしないと周辺諸国の警戒心はぬぐえない。

 日本や周辺諸国が「中国脅威論」をあおり、軍事予算を増額すれば軍拡競争につながる。この地域の不安定要素をつくり出すことになりかねず、これも警戒しなければならない。

 中国では八月に北京五輪、一〇年に上海万博が開催される。平和的な発展を目指すのであれば、国防費の透明性を向上させなければならない。


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