平川方久県病院事業管理者は５日、２００７年度の県立病院事業会計決算が１１億８１００万円のの赤字となる見通しを明らかにした。年度当初見込みと比べて１０億円以上の悪化で、赤字幅は過去１０年間で最大。中央病院が過去最大の８億７９００万円の赤字となるのが主因で、補正予算案として１２日に２月定例県議会に追加提案する。

　同日開かれた２月議会文教厚生委員会（宮本欣貞委員長）で、西川昭吾氏（自民・坂出）の質問に答えた。

　香川県によると、総収益は１９３億２９００万円、総費用は２０５億１１００万円。病院別の収支は、中央病院のほか、丸亀病院が１億４５００万円の赤字、白鳥病院が４９００万円の黒字、がん検診センターが１３００万円の黒字、津田診療所が２億１９００万円の赤字。

　中央病院は、収益が１３３億７６００万円で前年度決算比１億９３００万円の増収。しかし、平均在院日数の短縮などにより延べ患者数は約１万６千人減少。診療単価も思った以上に伸びず、０７年度当初見込みとの比較では、約６億８６００万円少なかった。

　費用は１４２億５５００万円で前年度決算比５億円増。退職給与金が当初予想より約４割増えたほか、診療報酬の改定を受けて看護師を４３人増員したことなどから、給与費が同３億３９００万円増。電子カルテなどの減価償却費も膨らんだ。

　赤字については約２０億円の内部留保資金を取り崩して対応する方針。

　平川管理者は「中央病院の収支が悪化したことは申し訳ない。高収益体質への転換や費用削減など経営改革を着実に実行し、１０年度から黒字にしたい」としている。