熊谷市教委と同市医師会は、小学生がどれだけたばこの煙にさらされているかの受動喫煙状態を調査した結果をまとめた。同医師会が設定した基準を超える受動喫煙状態にあったのは全体の12・7%で、家庭内を中心に子どもたちがたばこの煙にさらされている実態が浮かんだ。
市内の小学4年生の希望者1347人を対象に尿を採取し、たばこに含まれるニコチン代謝物の尿中コチニン値を測定した。1ミリリットル中10ナノグラム以上あったのは170人で、高度の受動喫煙となる40ナノグラム以上は9人いた。また、両親のいずれかが喫煙している家庭は65・6%に達し、母親が喫煙している家庭の児童はコチニン値が高くなるという傾向が出た。
市教委はコチニン値が特に高い児童の家庭には、気管支や肺などへの悪影響も考えられるため、小児科の受診を促す文書を送った。
市教委は「たばこを吸う家族との接触が多ければ、児童のコチニン値も高くなっている。学校保健だよりなどを通じて、家庭内での分煙化を促進してもらう」と話している。【金沢衛】
毎日新聞 2008年3月6日