県病院局は、県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)で時間外(夜間・休日)に受診する軽症患者に対し、診察料金に4200円を上乗せして徴収する検討を始める。軽症患者の急増で重症患者の診療に支障が出ているため。伊能睿(さとし)・県病院事業管理者は「いろいろと努力している最中なので、あくまで最後の手段」と話している。
上乗せ分は保険対象外のため、軽症患者は全額を窓口で支払うことになる。時期や軽症と重症の判断基準などは決まっていない。
同センターは本来、地域の医療機関では対応できない最重度の患者を医療機関からの紹介で受け入れる三次救急病院。しかし、小児科医不足などで県内各地の救急体制が整わなくなったため、02年から紹介なしの外来患者の受け入れを開始した。その結果、06年度の患者数は1万1180件と02年度比2・7倍に増加。このうち75%を占める紹介状なしの外来患者のほとんどが軽症だった。
同センターはホームページなどで「時間外診療はまず他の医療機関に相談ください」と患者に理解を求め、関係医療機関に軽症患者の受け入れを求めている。【稲田佳代】
毎日新聞 2008年3月6日