来夢１６歳最年少代表候補…桜花学園の超大型センター

史上最年少で代表候補入りした渡嘉敷の武器は、１９１センチの高さ（日本バスケットボール協会提供）

　日本バスケットボール協会は５日、女子の北京五輪世界最終予選（６月９～１５日、スペイン・マドリード）に向けた日本代表候補１７人を発表し、１６歳で身長１９１センチの超大型センター、渡嘉敷来夢（とかしき・らむ、愛知・桜花学園１年）を大抜てきした。１６歳での代表候補入りは史上最年少。

　女子ニッポンに１６歳の伸び盛りの超大型新人、渡嘉敷来夢が投入された。ニックネームはもちろん「ラムちゃん」。所属は大神の母校でバスケの名門、桜花学園の１年生だ。中学生で１８５センチを超え、高校に入ると１９０センチをオーバーした。しかもいまだに身長が伸び続けており、寒い冬場は「成長痛」を起こしてプレータイムを短縮させられるほどだ。

　ラムちゃんだけに、空を飛ぶような“稲妻ダンクシュート”が最大の武器。高さ３０５センチのゴールリングに届く女子選手は珍しい。スケールの大きいプレーに将来的には海外での活躍が期待される金の卵だ。昨季は総体、国体、高校選抜でチームを３冠に導いた。１月の天皇杯での活躍が日本協会の強化委員会の目に留まり、今回の抜てきに至った。「１６歳で経験もなくプレーも粗けずりだが、将来が期待できる」と、強化委は満場一致で代表候補に選出した。

　父が日本人と米国人のハーフ。そのＤＮＡを受け継ぐラムちゃんだが、小学校時代は走り高跳び。中学に入ると背面になり「背中が痛いからイヤ」とバスケに転向した。協会広報部は「体の大きい選手は総じて動きが緩慢だが、ラムちゃんの場合はそれを覆す身体能力がある。跳躍力、脚力はズバ抜けている」とＰＲする。強化合宿は５回に分け４月１日から第１次が始まる。１７人の代表候補は１２人に絞られる。同じポジションのセンターには、一度引退経験があり０４年アテネ五輪以来となる代表候補に復帰したベテラン・浜口典子（３４）＝アイシン＝がいる。協会幹部陣の醜い権力闘争を吹き飛ばすさわやかなポジション争いが期待される。

　◆渡嘉敷　来夢（とかしき・らむ）１９９１年６月１１日、東京都生まれの１６歳。日本人と米国人のクオーター。春日部市立春日部東中３年時に全国大会８強に進出し愛知・桜花学園高へ。１年からレギュラーとなり総体、国体、選抜大会の３冠達成に貢献した。１９１センチ、７７キロ。

（）