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【27歳、OL6人物語】結婚できなかったら私はどうなるの?(第3回)

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【27歳、OL6人物語】結婚できなかったら私はどうなるの?(第3回)
■今回の主人公 純子
短大を卒業後、銀行(窓口業務)に勤めていて勤続7年目。学生時代から付き合っている2つ年下の彼がいる。一人っ子で両親に溺愛されて育ったせいか甘えん坊。自発的に行動するのが苦手で変化を嫌うため転職なんてもってのほかだと思っている。部活では万年補欠だったけど特にレギュラーになりたいという野心は一切なかった。


この物語は高校時代のテニス部の同級生、真理子、美紀、純子、千夏、ゆかり、優美の6人それぞれが主人公としてオフィスの様子や仕事の悩みを展開していきます。詳しいプロフィールはこちら

 月末の窓口の忙しさが、私は嫌いじゃない。私でも社会の役に立っていると感じられるからだ。一つ作業を終える。ボタンを押す。電子音声が次の番号を知らせる。窓口にお客様が来る。お金を数え、書類を処理する。そしてまた、ボタンを押す…。

「伊藤さん、適当なところで、ね」。

 リーダー格の三留さんがそっと声をかけてくれた。「はい」と言っても、ついボタンを押してしまう。すると、隣の窓口に座っていた加奈子が耳打ちしてきた。

「先に行っちゃっていい? キリがいいから」。
加奈子の席の前には、すでに「他の窓口へお回りください」のプレートが出ている。

私はどうも要領が悪い。入行7年目なのに、いまだに「適当に切り上げて休憩を取る」タイミングがつかめない。不器用なのは昔からだ。そんな私の就職が決まった時、友達も家族も驚いていた。テニス部でも補欠だった私が、第一希望の銀行に就職できるなんて! 私にしてはまずまずの人生だ。いや、本当に。

今日の健治は少し変だ。いや、最近ずっとそうかもしれない。話しかけても、

「うん」ばかりだ。悩みでもあるの、と聞いてあげたいけど、私が解決してあげられるとは思えない。ドルチェが運ばれてきた頃、やっと健治が口を開いた。

「俺、転勤になったから」
私は危うく持っていたスプーンを落としそうになった。銀行員に転勤はつきものだし、前にも異動は何度かあった。私が緊張したのは、その次に続く言葉を待っていたからだ。けれど、いつまでたっても健治は黙ったまま、ドルチェを口に運んでいる。

「えっと…どこに行くの?」

「2週間後に福岡」

 新幹線でどれくらいかかるんだろう、と考えていると、健治が再び話し始めた。いつの間にか、健治の皿は空いていた。

「引継ぎやら引越しやらでバタバタして、当分会えないと思うから」

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