辰野町は、辰野総合病院に勤務する医師に研究資金を貸与する―とした制度を創設することになり、5日開会した町議会3月定例会に条例制定案を上程した。現在勤務する医師、今後新たに同病院への勤務を希望する医師が対象で「熱意をもって辰野病院に勤務してくれている医師を支え、その熱意に対し応える姿勢を見せたい」(同病院)とし、医師確保にも期待を込める。
貸与額は国内外で開かれる学会への出席費や、研究とその発表にかかる費用など医学・医療研究の資金で町長が認める範囲内とし、同病院に2年間継続勤務すれば返還は免除される。
辰野病院が現在行っている医師への支援は、学会出席に際して旅費程度の補助にとどまり、これまで研究資金に対する支援はなかった。
貸与制度の創設は医師の希望でもあり「辰野病院での勤務に夢と希望を持ち、末永く勤めてもらうため医療スタッフをいかに支えるかが重要。医師が研究を深め、自分の求めるものを追求する充実感を得てもらえれば」としている。
運用の細部については、今後規則で定める。申請があった場合は病院運営委員会に示し、諮りながら運用していくという。
医師に対する研究資金貸与制度は、医師確保対策として県が今年度から実施。医師不足が深刻な産科、小児科などの医師を対象に行い、初年度は7人の医師が同制度を活用して県内の医療施設に着任し、成果を出している。