火星の「雪崩」画像公表＝探査機が偶然とらえる―ＮＡＳＡ

【ワシントンＡＦＰ＝時事】米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）はこのほど、火星を周回する無人探査機「マーズ・リコナサンス・オービター（ＭＲＯ）」が２月１９日に撮影した火星の「雪崩」の画像を公表した。火星で雪崩の様子がとらえられたのは初めて。≪写真はＮＡＳＡが公表した火星の雪崩の画像。少なくとも４つの雪崩が写っているという≫
　同探査機が高解像度カメラ「HiRISE」で地表を撮影した中に雪崩の画像があった。画像は、氷やちりから成る複数の雪崩が起き、急斜面のふもとから黄褐色の雲状のものが広がっている様子を示している。
　ＮＡＳＡの研究者によると、撮影は地表を覆う二酸化炭素の霜が春を迎えて変化する様子を調べるため行われ、雪崩の画像がとらえられたのはまさに偶然。「うれしい驚き」だとしている。最初に見つけた女性研究者も「火星上でこれほど活動的なものを見られるのはすごいこと」と話している。
　雪崩の発生原因はつかめておらず、ＮＡＳＡではさらに画像を撮影し、これが年間を通じて起きるのか、春先にだけ起きるのかを突き止める予定だ。〔ＡＦＰ＝時事〕