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【社会】

胎児死亡で医師に賠償命令 帝王切開遅れ、1650万円

2008年3月5日 21時16分

 帝王切開の遅れが原因で出生前に胎児が死亡したとして、東京都東久留米市の夫婦が、東京都台東区の産婦人科医に約3500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は5日、1650万円の賠償を命じた。

 村田渉裁判長は「帝王切開するか、帝王切開ができるほかの病院に速やかに搬送していれば、子宮内での胎児死亡という結果は避けられた」と医師の過失と死亡の因果関係を認定。

 その上で「出生直前に順調に育っていた胎児を失った精神的苦痛は、出生後の新生児が死亡した場合と何ら異なるところはなく、極めて深く、大きい」と指摘した。

 判決によると、原告の女性は2003年7月15日、病院で妊娠中毒症と診断され入院。同月18日午後10時半ごろから2時間半にわたり、吸引分娩をしたがうまくいかず、いったん病室に戻った。

 19日午前5時ごろ、腹部に違和感を感じ検査したところ心音が消え、その後、搬送先の病院で胎児の死亡が確認された。

(共同)
 

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