Hatena::Diary

モニターの向こうは透明な街 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008 | 01 | 02 | 03 |

2008-03-02 Sun

今でも記憶に残っている、自制心のない男たち

20:38 | このエントリーを含むブックマーク

似たようなエントリーをどこかで見掛けたんだけど、ブクマするのを忘れたらしく、見失ってしまった。

なので、自分の経験を書いてみる。その記事とどこかカブッてるかもしれないけど(というより色々と経験が似ていたからこそ覚えてるんですが)、誰か発見したら教えて下さるとありがたいです。

小学生の頃。

両親にも学校の先生にも、「知らない人にはついていっちゃいけません」「お菓子をもらっても、受け取っちゃいけません」「おかしいと思ったらお父さんお母さんや先生に報告しましょう」「怖いことがあったら大声で叫びましょう、近所の人に助けを求めましょう」なんてことを言い聞かされて、ニュースでもまだ幼い子供が誘拐されただの殺されただのと何度も聞いていて、そうか、危ない人がいっぱいいるんだなーと漠然と考えていた、そんな頃のこと。

たぶん、3年か4年の頃だったと思う。

放課後、一緒に遊んでいた友達と別れて、私は一人で家に帰る途中だった。知らないおじさんに声をかけられて、「ねえ、この辺にトイレないかなあ?」と聞かれたので、公園にならあると思うと言ってその方向を教えてあげた。そしたら「おじさん方向音痴だから、連れてって」と頼まれて、ちょうど帰り道の途中にある公園だから、仕方なくしばらく一緒に歩いた。「あそこです」と指差して、それで帰ろうと思っていたのに、「おじょうちゃんも一緒に行くんだよ」と言われて腕を掴まれた。

気持ち悪い人だと思い、咄嗟に「塾があるから帰ります」と嘘をついて逃げようとしたら、「じゃあ、ここでいいから、おじさん、するね? 見てて?」と言って、いきなりズボンの前をひろげ始めた。

私は、「いや!」とだけ叫んでとにかく逃げた。走って逃げた。おじさんがどうしたのかなんて知らないけど、その時の自分の「いや!」だけは今でも鮮明に覚えている。

家に帰って、気持ち悪かったから両親に報告した。「トイレに連れてってって言われたから教えてあげたら、腕を掴まれた、怖かった」と、あまり要領を得ない説明だったと思うけど、ともかくも危険人物だと思ったらしい両親は、「知らないおじさんに声を掛けられたら答えなくていいから逃げなさい、誰も逃げたことを悪く言ったりはしないから」と、懇々と私に言い聞かせた。

そうか、そういうものなんだ、と漠然と受け止めた。自分がどういう意味でどんな風に危険だったのか、なんてことは、想像もできなかった。

同じ頃、私は慢性の中耳炎の治療のために、放課後は電車に乗って駅5つ分離れた耳鼻科に通っていた。だいたい週に二回。低学年の頃は母親に連れられて通っていたけれど、4年生くらいからは一人で通っていた。母親が忙しかったとかではなく、単に、何でも一人でできるようになりなさいということだった。休日には一人でスーパーにお使いに行ったりもしていた。2千円や3千円というお金を持って、メモを片手に、自分で生鮮食品を選んで買って帰る、ということを当たり前のようにしていたので、一人で電車を乗り継いで耳鼻科に通うという行動は、私にとっては至極当然のことだった。一人だから危険だ、なんてことは思わなかった。今だったら、どうして小学生の女の子を一人で通わせるのかと、責められるかもしれない。

通っていた耳鼻科は腕がいいと評判だったので常に混んでいて、診察待ちだけで2時間なんてのはざらだった。帰りが夕方の6時くらいになることも珍しくなかった。遅くなる時は途中の公衆電話から家に電話を入れて、駅まで父に迎えに来てもらうこともあった。

私はただ真面目に、耳鼻科と自宅を往復していただけだ。途中に繁華街はあったけれど、寄り道したところで何が買える訳でもないので、いつも華やかな道を横目に通り抜けるだけだった。決して無防備にうろついていた訳でもないし、子供らしからぬ華美な格好をしていた訳でもない。どちらかと言えば、大人しめの、真面目そうな子供にしか見えなかっただろう。

それでも、不審者には何度か遭遇した。電車の中で、やたらと身体を押し付けてくるおじさんがいた。直接身体を触られたりはしなかったけど、気持ち悪いな、イヤだな、と思ってさりげなく移動すると、またどこかの駅で乗客が乗り降りしたのに合わせて移動してきて、再び身体を押し付けてきたりする。

途中の乗換駅で電車を降りたあと、そのおじさんが「塾なの? どこまで行くの?」と聞いてきて、危険だと思ったから答えもしないで走って逃げた。

家に帰って報告したかどうかは、覚えていない。ただ、そういうことは、少なくとも3、4回はあったと思う。イヤだと思ったら逃げる、それしか考えていなかった。

そんな小中学生を過ごして、高校生になった。高校は、電車を乗り継いでやはり駅5つ分離れたところだった。

高校生ともなるとさすがに、思春期になって顔立ちも変わるし、身体つきも変わる。今となってみれば、良く途中で登校拒否をしなかったなと思うくらい、私はとにかく痴漢に遭いまくった。ひどい時には週6日(まだ土曜日も学校があった)、連続で痴漢に遭ったりした。

痴漢にもいろいろいる。ただ太ももを触るだけのヤツもいれば、スカートをまくり上げて強引にストッキング(冬場は黒いパンストを履いてた)や下着をおろしにかかるヤツもいた。下着の上から性器を触ろうとするヤツもいたし、興奮した自分のモノを押し付けてくるヤツもいた。

笑えない話だけど、痴漢に遭って相手を確かめるべく振り向いてみたら、中学の時の同級生だった、なんてこともある。お互いに絶句した。あの時の彼の表情は、一生忘れられないだろう。

生憎と私は、ただ触られて耐えているような性格じゃなかった。触られてると分かったら、相手の手の甲を、渾身の力で血が滲むほどに引っ掻くくらいのことは当たり前にやった。相手と自分の間にむりやり学生鞄(革製の黒いアレ)を上からねじ込んでみたり(相手の手はきっと鞄にこすられて、擦り傷くらいは出来ただろう)、足をぐりぐりと踏みつぶしてみたり、毎朝毎朝、無言で静かに格闘していた。それでも痴漢行為をやめないヤツがほとんどだ。どうも反撃が控え目に過ぎたなと、今頃ちょっと反省してるほど。

もちろん、声を上げたこともある。「やめてください!」と睨み付けてみれば、相手は居直って、「混んでるんだからしょうがないだろう!」なんて言って無実を主張したりする。ひどいヤツは、別の方向をきょろきょろと見回して、「誰だ?」なんて私に聞いてきたりするヤツもいた。「アンタだよ!」と言い返せば良さそうな状況だけど、それが口から出なかった。声を上げるだけでも凄く勇気を必要とするのに、そんな風にかわされたら、何も言えなくなってしまう。私ですら、言えなかった。

相手の腕を掴んだまま、着いた駅で車内から引きずり下ろしたこともある。この時は確か夏場で、スカートをまくり上げて下着に指をかけてきたので、相手の手を掴んで抵抗を試みたものの、私の下着を掴んだまま離さなかったので頭に来たのだ。無理に相手の手を引き剥がせば、私の下着がもろとも引き剥がされてしまう。千切れるとかそういうのではなく、すでにスカートがまくれている状態で、下着を引っ張られたらどうなるのか。公衆の面前でお尻を晒すかもしれないなんて、冗談じゃねえと思った。ブチ切れたので、次の駅で警察に突き出してやると心に決めた。で、実行した。

そしたらそのおじさんは、駅に降ろされた途端、急にホームにべったりと頭をついて(いわゆる土下座)「すいませんでした!」とデカい声で叫び、すっくと立ち上がってバタバタと走り去ってしまった。

怒る先を失って、私はぽかんと呆気に取られたまま、追うこともできずに仕方なく帰宅した。

実はこの件の時、ショックだったのは、痴漢に遭ったことでも逃げられたことでもない。母に報告したら「良くやった!痴漢なんてどんどん警察に突き出してやれ!泣き寝入りすることないんだから」と励まされたけれど、後日、母が伯母にそれを話した時、伯母が「そういうことはしない方がいい、後できっと仕返しされるよ」と窘めにかかったことだ。

「なんだそりゃ」と思った。思って、同じ女性なのに、泣き寝入りを薦めるような言い草をされて、私はひっそりと傷付いた。

まだある。

なにも朝のラッシュの時間帯じゃなくても、閑散とした車内でだってそれは起きる。

帰り道で、その頃利用していた電車のボックス席(4人用の、向かい合わせになる席)に一人で座っていた時のことだ。車内はかなり空いていた。目の前の席に座った男の人が、自分の靴下を直すふりをしながら、すっと手を伸ばして私の足首を撫でたことがある。気持ち悪くて、ゾッとして、慌てて席を移動した。そして私が横並びになる席のドアに近いところに座ったら、その男はふらりと後を追ってきて隣に座り、左手を伸ばしてきて私のふとももを、スカートの上から撫で始めた。

私はまた逃げた。ホームに降りて、仕方がないから次の電車で帰ろうと、男の目の届かそうなところまでとにかく逃げた。

車内での痴漢だけじゃない。電車の外でも痴漢行為は当たり前のようにあった。

乗り替えの駅――といちいち書くのも面倒なのでぶっちゃけるとJR千葉駅で、駅構内を歩いているだけでも痴漢にあった。すれ違いざまに、いきなり胸を触っていくのだ。

触っていく、というよりは、叩いていくと言った方が正しい。すれ違う時にいきなり手が伸びてきたら、「叩く」という状態になる。

歩いているだけで、バン!と胸を触られる――私は当時、割と胸があった方だけども、そういう問題ではないように思う。夏服は隠しようもなかったけれど、着やせする方だったので、冬服のブレザーを着ていたら胸の大きさなんて全然分からなかった。それでも触られた。

胸を触られるだけじゃない。すれ違いざま、いきなりスカートをまくっていくヤツもいる。混雑の中で階段を降りている時に、ふとももやお尻を撫でて行くヤツもいる。

一度、駅構内のトイレの前を通り掛かった時、男子トイレから出てきた男に、いきなり何かを投げつけられたことがあった。それは私のブレザーに当たって床に落ち、男はさっさと走り去ってしまった。何だろうと思って良く見ると、液体入りのコンドーム(たぶん使用済み)だった。ブレザーの裾の辺りに、何か液体が付着している。それが何かを考えることすら、おぞましかった。

高校を卒業する直前に、私はJR千葉駅で途中下車をした。駅近くのデパートに入っている雑貨店が気に入っていて、そこで買い物をしようと考えていた。仲の良かった友達とは家の方向が違うので、途中で別れて私は一人だった。

デパートへ向かう、長くはない道の途中で、声をかけられた。「その制服って、どこの高校?」

今で言う「チャラい」感じのお兄さん達が3人くらい、路駐した車の周りにたむろしていた。いきなり脊髄反射して逃げるような質問でもなかったので、私は素直に答えた。「あ、やっぱり。俺の後輩が行ってるんだよ、○○って知ってる?」

知らない、と答えると、「○○に聞けば分かるよ。電話して呼べば来るからさ、一緒に遊ぼう?」

寄るところがあるから、と答えると「どこ? 送ってあげるから乗りなよ」と言って車のドアを開けてきた。その車の中から、唐突に男の腕が伸びてきた。

もちろん、走って逃げた。伸びてきた手がむちゃくちゃ怖かった。

デパートまで一目散に走って行って、冷静になってみてふと考えた。あの状況を端から見たら、私が自主的に車に乗るように見えたりしないだろうか。車の中に誰かが居たなんて、傍にいた私ですらも分からなかった。あの場で腕を掴まれていたらどうなっていたんだろう。何もなかったかもしれない。でも何か起こると考えるのが普通だ。想像するだけでおぞましい。

私は決して、派手な女子ではなかったはずだ。前述の通り、大人しめの、真面目そうに見える生徒だったはずだ。今のようにスカートも短くはなくまだ膝丈だったし、ルーズソックスなんて売ってもいない時代だった。校則も割と厳しかったので、決められた制服を決められた通りに着ていた。髪を染めるなんて思いもよらなかった頃だし(せいぜい脱色するくらい)、化粧だって誰もしていなかった。男を挑発するような格好をしていた訳じゃない。

ただ、私立だったからということもあるけれど、制服自体(女子の)は可愛い方だった。今ではどこにでもありそうな制服だけど、当時はまだ、「制服可愛いね」と言ってもらえる部類だった。それが狙われる要因だと言われたら、もう私にはお手上げだ、為す術がない。

社会人になってから、私も世間並みに色気づいて、露出の多い服を着ることもあった。20代前半がもっとも顕著だった。まだボディコンとかワンレンとかソバージュなんていう言葉が使われていて、ジュリアナの余韻も残っていた頃で、私も髪を染めてソバージュをかけ、仕事の後はボディコンスーツに身を包みハイヒールを履いてトワレをぶっかけて、同僚や男友達と飲みに行っていた。

不思議なもので、その頃は滅多なことでは痴漢に遭わなくなっていた。OLっぽいスーツで朝の満員電車に乗っていた時に、たまに痴漢に出くわすくらいで、露出度の高い服装の時は何もなかった。何故、と聞かれても私には分からない。繁華街でナンパされたことならあるけれど、目に見えてナンパだと分かるから取り合わなければそれでおしまい。

飲みに飲んで、暗い夜道を一人で帰ったこともある。途中で男性と同じ方向を歩く時は、さすがに緊張した。あの微妙に居たたまれない空気は、誰もが味わったことがあるだろう。男性の方もきっと不審者だと思われたくないんだろう、歩調を合わせないようにゆっくり歩いてみたり、小走りに私を抜いて行ったりして、でもこちらも何かあったらどうしようと心構えはできているから、後ろから掴まれたら殴ったれくらいのことは考えている。それで私に落ち度があったと言われても、もうどうしようもない。

けれど、もしその道で私の身に何かがあったとしても、たぶんそれは、私がボディコンスーツを着ていたから、ではないように思う。そこに不審者がたまたま居た。そこに私が居合わせてしまった。露出がどうの、夜道がどうの、ということではなくて。

もちろん、その道でもその道でなくても、不審者はあちこちに居ただろう。でも私はたまたま、抵抗もできないような事態には遭遇しなかった。

痴漢は電車だから起こるのでも、混雑しているから起こるのでもない。強姦だって、繁華街に居るから起こる訳ではないし、女性が露出しているから起こるのでもない。ましてや女性が自衛しないから起こる訳ではない。

電車が空いていても、電車の外でも、痴漢は居る。露出していなくても、繁華街を通らなくても、強姦は起きる。自衛していたって、落ち度なんかなくたって、起きる時は起きるのだ。

女性側がいちいち報告していないだけで、上記のような痴漢行為や強姦未遂なんて、きっとあちこちに転がっているんだろう。私ですら、この記事を書きながら「こんなにあったんだっけ」と驚いたくらいだ、もっと幾度となく遭遇してる女性だって掃いて捨てるほど居るに違いない。

自衛していない(ように見える)女がどうこう言う前に、世の中の男たちの、この自制心のなさはどうだ。まさかと思うけど、男が自制心をなくすのは当然のことですなんて言ったりしないよね? 逆に言えば、そんな男ばっかりで当たり前、なんて言い分がまかり通るんだったら、女性の自衛なんて無駄以外の何者でもないじゃないか。

じゃあどうしろって?

決まってる。痴漢をするのはいけないこと。誘拐や拉致はいけないこと。強姦するのはいけないこと。人を殴ったり、物を盗んだり、嘘をついて人を貶めたりするのもいけないこと。それをもっと声を大にして、何度でも、しつこいほど、大人は主張し続ける必要がある。子供にも言い聞かせる必要がある。

「知らない人についていっちゃいけません」と同じように、「イヤがる人を連れて行っちゃいけません」と教えなくちゃいけない。

やっちゃいけないことはやっちゃいけないんだ。妄想の中ならどんなに非道いことをしたって罪にはならないけど、それを行動にしちゃいけないんだよ。

相手が無防備であっても悪いことは悪いことだ。まだ無知な子供ならなおさらだ。ちょっと好みの女性だって絶対にダメだ。女性が露出しててうっかり欲情したって、ダメなことはダメなんだ。ケンカしてムカついたからって、相手を殴ったらダメなんだ。ケガをさせたり、殺したりなんてもってのほかだ。

誘ったら相手が部屋について来ました、だからって犯していい訳じゃない、イヤだと言われたらヤッちゃダメなんだ。だったら部屋になんかついて来るなと苦情の一つくらいは言ってもいいだろうけど、むりやり手を出しちゃダメなんだ。

夫婦だって恋人だって、むりやりヤッたら強姦だし、親友だって親子だって、殴って怪我をさせたら傷害だ。

被害に遭わないように自衛しろ、なんて一方的にも程がある。もっと主張するべきことがあるだろう。犯罪者に罰を与えればそれでおしまいじゃないんだよ、犯罪ってのは「やってはいけないこと」だから犯罪なんだから。

今日のTwitter

| 03:31 | このエントリーを含むブックマーク

10:09 起きったー。みんなおはよー

10:11 @sepia_no2 おはよう。おそうじしとくね。 -E -E

10:12 @sepia_no2 キレイになったらご飯。まぐろとか。 qiiip

10:14 @buntaro おはよーう!今日はビミョーに曇ってる‥‥まあいいか

10:27 @fomalhaut おはよう!ちょうどこっちもすこーしだけ明るくなったところ。もちょっと晴れるといいな

10:35 @Mutsuki おはよござーす!!

12:21 ローカルで使うメーラーが決まらない件‥‥

12:39 @kix3_u_u 大宮駅、でかいよね。私もぷち嫉妬 ( 笑 )

13:25 ん?投稿てすつ

13:26 よし、ちょっくら買い物いってくる。

今日のはてブ

| 03:56 | このエントリーを含むブックマーク